バカリズム「ホットスポット」早くも"怪作の予感" 前作「ブラッシュアップライフ」との共通点も
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 13時0分
そんな本作は、舞台となる地方ののどかな街の設定や、登場人物たちそれぞれの仕事を通した職業あるあるネタをちりばめるストーリー進行、宇宙人との邂逅シーンの演出など、『ブラッシュアップライフ』との共通点が随所に見られた。
それはバカリズムドラマの王道になっていくのかもしれない。彼の持ち味がもっとも発揮される設定であり、演出なのだろう。本作を見ながら、バカリズムならではの会話劇コントで笑い、前作と共通する空気を楽しめた。
一方、昨今ではコメディチックな会話劇の応酬で笑いを入れたり、コントのようなシーンを連発するドラマは少なくない。
それらとバカリズム脚本のドラマが一線を画しているのは、その会話劇の研ぎ澄まされたナイフのような切れ味だろう。どこにでもいそうなふつうの人たちの普遍的な会話のなかに、市井の人々の心に刺さる、さりげないボケとツッコミの鋭さがある。
そんな会話劇がこれでもかとふんだんに盛り込まれて圧倒されつつ、気づけばストーリーに引き込まれている。
その背景には、さまざまな職業の登場人物のさりげない会話シーンに映されるように、リアルを追求するための綿密な取材と、バカリズムの人への観察眼が確固とした芯になっていることがある。
そして、もうひとつ重要なポイントになっているのが、会話劇が生み出す笑いの“軽さ”だ。くすっとする程度のライトな笑いが、ストーリーの流れを邪魔せず、物語の本筋から視聴者を離れさせない。
日本を代表する脚本家・坂元裕二氏のシュールで尖った会話劇は、そこから笑いも悲哀も怒りも感動も生み出す。一方でバカリズムの脚本は、会話になじんだボケとツッコミのおもしろさで、坂元裕二氏の会話劇と同じぐらい極めて高い完成度を誇る。
さらに笑いの部分では、プロの技巧で、より奥行きがありつつ、くすっとする笑いから爆笑まで、その笑いを調整する練度を極めていることが感じられる。
2話以降はどうなるのか?
『ホットスポット』第1話は、この先への期待を大いに膨らませる十分なおもしろさがあった。では、第2話以降はどうなっていくか。それも考察してみよう。
『ブラッシュアップライフ』は、中盤からストーリーの視点が一転した。ただ何度も人生を繰り返していた主人公は、生き直しのベテランの友人との出会いから、飛行機事故で失われるはずの多くの人の命を救うために、運命を変えようと生きるようになる。それまでの明るく楽しめる脳天気一辺倒のドラマではなく、壮大なサスペンスになった。
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