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阪神・淡路大震災30年「都市直下地震」怖さと備え 都市部に住む人が押さえたい「5つのポイント」

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 8時0分

既存住宅では、旧耐震基準の住宅では、自治体が耐震診断・耐震補強に補助制度を設けているほか、最近は新耐震基準を対象とする自治体も増えてきている。まずは揺れによって我が家が"凶器"となってしまわないよう、耐震性をチェックしたい。

怖いのは火災

2. 適切なメンテナンスで耐震性を維持

耐震性は何もせずに維持できるものではなく、適切なメンテナンスが重要である。

特に木造住宅においては雨漏りや木材の腐朽、シロアリによる蟻害などが発生すると耐震性が劣化する。特に、雨漏りによって湿気が多い状態になると、木材の腐朽やシロアリによる蟻害が発生しやすくなる。

阪神・淡路大震災で被災した建物の腐朽や蟻害による被害を調査した報告では、倒壊した建物の多くで腐朽や蟻害が確認されたことも報告されている。腐朽や蟻害がある建物は築年数や地域を問わず、地震による大きな被害を受ける可能性が非常に高いのだ。

こうした被害を防ぐためには、初期の耐震性を確保するだけではなく、耐震性を保つための定期的な性能維持(メンテナンス)が重要だ。雨漏りなどが起きていないか、台風や中規模の地震などがあった際にも、壁に染みやひびなどが発生していないか点検し、異常がある場合には専門業者へ点検を依頼することが望ましい。

耐震性の維持は、家屋の倒壊によって住んでいる方が圧死するのみならず、地震があった際の地域住民の避難行動や消火・救助の妨げになるリスクを防ぐ観点からも重要である。

3. 火災の被害拡大を防ぐ

阪神・淡路大震災では火災による被害も甚大だった。総務省消防庁のまとめでは、推定含め285件の火災が発生(建物火災は261件)した。中でも、住宅が密集していた神戸市長田区では7000棟近い建物が消失したとされる。

火災の原因がわかっているものでは、電気による火災が多かった。地震時に停電が起き、その後通電すると、倒壊家屋・家具の下などで電気機器が作動し、出火することで火災が発生することがある。

通電火災を防ぐためにはブレーカーを落とすことが重要であるが、一刻を争う事態でそれどころではないことも想定される。そのため地震の揺れを感知したら自動的にブレーカーを落とす「感震ブレーカー」の設置が望ましい。

木造住宅密集地域では何より地震後の火災が恐ろしい。倒壊した家屋で、家具が作った隙間などで生存できても、救助の手が届く前に火災が起き、火にまかれて亡くなる可能性もある。

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