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サイゼ「価格据え置きで営業最高益」に見る大変化 逆張り戦略でファストカジュアル化が成功か?

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 8時40分

また、ファストカジュアル業態が優れているのは、メニュー数が減って調理工程が単純になればそれだけ大きなキッチンが不要になり、小規模な面積でも出店が可能になること。

実際、サイゼはメニュー数の削減を行うとともに、国内店舗数を2000店舗にする中期目標をぶちあげている。2024年8月期の国内店舗数は1038店舗なので、ほぼ2倍にする目標なのだ。

2023年秋の改定が徐々に浸透してきたのだろう。昨年は多くのメディアで「サイゼのメニュー表がスッキリした」「メニューが減って悲しい」ことについての報道が出ていた。

これらへのコメントとして「価格据え置きじゃなくてもいいから、メニュー数を維持してほしい」という意見も出ていた。中には「もう俺たちが知ってるサイゼじゃない」なんて声も。

確かに、私も久々にサイゼリヤに行ってグランドメニューを見たら、かなりスッキリしていて驚いた記憶がある。

それに、2024年には、メニュー表裏面の間違い探しでおなじみの、キッズメニューが無くなった。さすがに「間違い探し」のファンが多かったのだろう。間違い探しだけは残ることになった。オマケが本体を食っている。

こうした報道もあって、「メニューの大幅削減」をファンがどう受け止めるのか、注目が集まっていたが、その結果は利益20倍という、数字に出た。

国内店舗数増加で、より強い利益の柱になっていく?

とはいえ留意も必要だ。

というのも、決算の内訳をみていくと、その利益の多くは、これまでと同じように海外事業によるものだからだ。サイゼリヤのアジアでの営業利益は32億円で、全体利益の約82%。これは国内利益の5億円と比べて、6倍近い数字である。

ここ数年、サイゼの「国外で稼ぐ」傾向は顕著で、一部では「もはやサイゼの国内事業は福祉」なんて言われたりもしていた。けれど、先ほども見た通り、国内事業も着実に業績を伸ばしつつある。

加えて、先ほども書いた通り、現在サイゼリヤは国内店舗を2000店舗に増加させようとしている。

サイゼは徹底した効率化により、独自のビジネスモデルを発展、確立してきた企業だ。ファストカジュアル化によって、1店舗当たりの利益が少なくても、店舗数が増えることでしっかり利益が出る算段を立てているのだろう。

当たり前だが、「福祉」ではないことは確かである。

サイゼリヤを取り巻く厳しいファミレス事情

サイゼリヤがこうした「ファストカジュアル化」に舵を切ったのは、昨今のファミレス業界を取り巻く環境がある。

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