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中居正広騒動「物言う株主」の要求は超絶真っ当だ 「ない」ことを証明するのは論理上は不可能だが…

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 8時20分

過去のすべて類似のトラブル事例が「ない」と、「ない」ことを証明するのは「悪魔の証明」といわれ論理上は不可能だ。

しかし完全に「ない」ことまで証明できなくても、第三者調査によりガバナンスの根本問題があるわけではないと説明することはできる。

姿勢を正す必要がなければ、むしろそれを示すことで株主やステークホルダーからの疑念を払拭できる。もちろん、もしその疑念の否定に虚偽があれば、市場からの信頼を失い、企業として淘汰される。

とはいえ、こうしたプロセスを通じて情報の正確性と企業統治の妥当性が確保されるのが、市場原理が働く資本主義経済の本質だといえるだろう。

また、コーポレートガバナンス・コードや証券取引所の要請によって、各上場企業は株主との建設的な対話を推進することが強く求められている。

たとえば東証は上場企業に対して、株主との対話や開示の充実を重視し、問題が起こった際には積極的かつ迅速な対応を促す姿勢をもつよう要求している。

ダルトンは大株主であるし、真摯に向き合うことが企業価値の向上につながる。繰り返すが、潔白であれば調査して説明するだけだからだ。

お金がかかるが、それでもやるべき理由

第三者委員会の設置はかなりのお金がかかる。弁護士事務所の儲けのタネといわれるくらいだ。また、第三者といってもどんな人選にするかで結果は左右される。完璧な対策ではないと私は理解している。

しかし、私が勧める理由は、前述のとおり株主からの依頼である点だ。外野が何を言っても関係がないが、大株主の意向だ。

さらに加えて、同グループが報道機関である点だ。今もこれからも、現場の記者が他社(他者)の疑惑を調査する機会があると思う。その際に、取材先に厳しく追求しようとするとき、「御社だって……」とエクスキューズの余地を与えてしまうのではないかと思うのだ。

なお、「フジ・メディア・ホールディングスレポート」から引用すると、<ESGへの取り組みでは2023年11月に策定した「グループ人権方針」のもと、人権デューデリジェンスを推進するとともに、人権意識のさらなる向上を目指します。(中略)当社の持続的な企業価値向上と株主の皆様との価値共有を改めて図ることとするなど、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります>と宣言しているので、方向性は合致していると思われる。

フジの件だけで終わらせずに

フジは情報を発信する側の企業だ。だからこそ目立ち、トラブル時には多くの人からの注目を浴びる。これは必然といえるかもしれない。

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