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鳥羽シェフが才能よりも信じる「圧倒的努力」 ビジネスで大事なのは、信頼よりも、まず信用

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 18時0分

例えばコンビニにお茶を買いに行っても、ほかの食品の棚を見ながら、「これとこれを組み合わせるといいんじゃないかな」と考えるようになった。そういうことをやり続けているうちに、いつしかスムーズに答えが出るようになりました。膨大なデータが脳に蓄積されると同時に、ロジックが出来上がり、どんどんアイデアが出るようになった。

それはやはり、細かい情報の膨大な積み重ねの結果です。店のメニューでも、クライアントのいる料理開発でも、自信に裏付けられた答えがスムーズに出てきます。

例えば一時期、コンビニエンスストアやチェーン店などから「月に一度アイデアを出してほしい」というようなオファーをたくさん受けましたが、少しも困りませんでした。変に気合いを入れたり、悩んだり、ストレスを感じたりすることもなかった。

最初の頃は悩むこともありましたが、いつしかそういう段階は過ぎていました。どんなことでもクリエイティブというものは、そういう過程を経るのだと思います。

人には先天的な才能と後天的な才能があると僕は思います。先天的な才能には、カッコいいとかきれいだとかの容姿や、さまざまなセンスといったものがあります。でも、後天的な才能、つまり努力によって得た才能の方が息が長い。

僕は最近それを、いわゆるセンスと区別して、「ハイブリッドセンス」と呼んでいます。努力を重ねて得た才能は、先天的な才能を呼び覚ましてしまう。その二つが合わさったものがハイブリッドセンス。努力によって、元の才能に気付けるということです。

強い自信がある人は魅力的

努力しない人は、それに気付けない。自分の才能に気付くことは、すごく大事です。そういう人は、自信がある。だから魅力的です。元からの才能ではなく、努力の結果得た才能だからこそ、強い自信になるのだと思います。

ある時、見城さんは、こんなことを僕におっしゃいました。

「高杉晋作の言葉で、こういうのがある。『情けあるなら今宵来い。明日の朝なら誰も来る』。鳥羽は俺が来てくれって言ったら、必ず〈今宵〉来ると思っているんだよ」

僕も最近は以前より忙しくなったので、伺えない時もありますが、見城さんからお声がかかった時は、たとえ5分しか時間がなくても、伺うようにしています。それは見城さんに恩を売りたいからではなく、心の底から感謝の気持ちがあるからです。

だからといって、馴れ合いやべたべたしたお付き合いをするつもりはありません。いつも緊張感を持ってお付き合いをしたい。すると、どんな小さなことでも、達成感が生まれます。

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