1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

鳥羽シェフが才能よりも信じる「圧倒的努力」 ビジネスで大事なのは、信頼よりも、まず信用

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 18時0分

「誠意とは無理をすることとスピード」。まさに見城さんのこの言葉通りだと思います。その人のためにどれだけ無理ができるか。それこそが関係の価値を測る目安になると思います。

これは恋愛でも同じではないでしょうか。ものすごく好きな人ができたら、仕事を休んででも会いに行きたくなる。そして恋愛の芯には、必ず純粋でシンプルな愛があります。これは男女の関係にとどまらないものです。僕と見城さんの関係は、まさしく「愛」の関係なのだと思います。この関係はおそらく、10年、20年経っても変わらないでしょう。上辺ではなく、本質に根差した関係だからです。

見城さんには影響力がありますから、おべっかを使ってくる人はたくさんいると思います。僕みたいな者にも、そういう人はいます。

でも僕が本当に大変な時に力を貸してほしいと思える人は、数えるほどしかいません。また逆の立場になった時、とことん無理できる人も同じです。見城さんと僕がそういう関係になれたのは、本当に幸せなことだと思います。

また、僕は相手に対し、無理をすることも大事だと思います。

メールやLINEはできる限り早く返信するようにしています。そのスピードに誠意が表れると思うからです。

僕はよくうちのスタッフに言うのですが、LINEで既読になった瞬間、相手に見たことが伝わっているわけですから、「すぐ確認いたします」と返信します。すぐ確認できない場合は、「〜までに必ずお返事します」と返信すること。これを自分にもまわりにも義務付けています。

信用を積み重ねた先に信頼がある

ビジネスで大事なのは、信頼よりも、まず信用です。信用を一つひとつ積み重ねて、初めて信頼が生まれます。そういう積み重ねができない人は、何をやってもダメだと思います。信用できない相手と、誰も仕事をしたいとは思わないからです。

そういう誠意は、現場ではやはり、緊張感として表れるのではないでしょうか。少し前に見た映画『ザ・メニュー』は、この緊張感がとてもよく描かれた作品でした。

孤島にある高級レストランを舞台にしたサスペンス映画なのですが、とにかく緊張感が素晴らしく、一度見始めたらもうやめられない。命がけで料理を作るとは、どういうことか。命がけのソムリエとは。命がけのサービスマンとは。一方、料理を食べる客とは——。そうした問いかけを含んだ場面が次々と繰り出されていきます。

料理は、作る人だけでなく、食べる人がいて、初めて成り立つものです。味を知っているとかグルメだとかいうことではなく、食べる側の意識のレベルと作る側の意識のレベルが拮抗した時、本当に最高のエンターテインメントになるのだと思います。僕は見城さんにお店に来ていただけるようになってからの5年間で、見城さんといつも命を削るような真剣勝負をしながらそのことを学び続けています。

そして僕と見城さんの間には、信用ではなく、信頼がある。少なくとも僕はそう思っています。信用はちょっとしたことでなくしてしまうことがある。例えば、遅刻などがそうです。でも、見城さんが遅刻しても、僕は失望したりしません。きっと何かあったのだろうと思うだけです。

このことは恋愛でも言えます。信用はまだまだ恋愛の入り口です。でも、それが相手への揺るぎない信頼に変わると、本当の恋愛になります。

つまり、モテるためには、まず相手から信用されること。そしてそれを信頼に変えるために、努力しなければなりません。

鳥羽 周作:レストラン「sio」オーナーシェフ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください