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エクセル管理では限界!「新リース会計」に商機 新基準に対応した新サービスに問い合わせ殺到

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 8時0分

エクセル管理では限界!「新リース会計」に商機

2027年4月に予定されている、リースに関する新会計基準の強制適用。2年余りの先の話だが、全社規模での対応が必要で、残された時間は長くない。『週刊東洋経済』1月18日号の第1特集「新リース会計の衝撃」では、新基準の基本的な部分から実際の業務で使えるテクニック、業界別の影響度まで、新リース会計が及ぼすインパクトについて解説する。

新たなリース会計基準が公表された2024年9月以降、新基準に対応したシステムやソフトウェア、企業向けコンサルティングなど関連ビジネスが盛り上がっている。

【図表】新基準に対応した主なサービス一覧

資産管理のシステムを開発するプロシップにも問い合わせが殺到している。新リース会計に関するオンラインセミナーには、それまでの5倍に当たる500人余りの人たちが集まる盛況ぶりだ。

プロシップは、もともと固定資産に特化した会計システムの開発会社。国際会計基準(IFRS)のリース基準が変更され、オペレーティングリースがオンバランス処理となった際は、IFRS適用会社270社のうち100社前後のシステムを開発し支援してきた実績がある。

多くの企業がエクセル管理を断念

システム営業本部の巽俊介部長は、「当時、多くの企業がエクセルで契約を管理していた。だが100件程度が限界で、エクセル管理を断念しシステムを導入した企業も少なくない」と明かす。

そのうえで、「本改正でIFRS適用企業でなくても賃借不動産を中心にオンバランス処理を行わねばならなくなった。それだけでも大変だが、賃料や期間の見直しのたびに契約が増えるのは必至で、多くの企業でシステム対応が必要となるだろう」と指摘する。

そのためプロシップでは、企業ごとにカスタマイズした新基準対応の固定資産管理システムに加え、2024年12月には月額利用料のみで使えるクラウドサービスの提供をスタートさせた。

ワークスアプリケーションズは、新基準による影響を迅速に測定するサービスを開始した。さらに、固定資産管理システム「HUE Asset」などでは、リース期間の測定をはじめ新基準に対応する拡張機能をリリースした。

また会計ソフト「勘定奉行」で知られるオービックビジネスコンサルタントも、固定資産を管理するクラウドサービスに2025年4月から新機能を追加すると発表。影響額のシミュレーションや、リースの見直しにかかる再計算、業務プロセスの最適化など6つの機能を追加するという。

システム難民続出も

気になるのは値段だ。プロシップの巽部長によれば「IFRS改正時の実績でいえば、個社対応のシステムで平均3000万〜4000万円程度。今回提供を始めたクラウドサービスであれば月額30万〜40万円程度となっている」という。

こうした金額を高いと受け取る企業もあるだろうが、売り上げを生まない作業に多くの人員を割くくらいであれば、いっそシステムを導入したほうが生産的という考え方もある。

ただ、「今回対象となる1万社のうち、売上高1000億円以上の企業に絞っても2000社くらい。そのうち少なくとも半分程度はシステム導入が必要になってくるとみているが、提供側にも限界がある。そのため“システム難民”が続出する可能性もある」(巽部長)。

早めにシステム導入の必要性を検討し、決断するのがよさそうだ。

田島 靖久:東洋経済 記者

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