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「タイミーおじさん」平気で使う人たちの危うさ 事業者による「ドタキャン」はなぜ許されるのか

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 12時0分

事業者によるドタキャン問題はスキマバイトの現場では“あるある”のひとつだ。

「スキマバイトは“事業者ファースト”」と批判

タカヒコさんによると、農業の仕事を仲介する「デイワーク」というアプリを利用したときも「応募した時点でマッチング成立」という旨の条件が明示されていた仕事を選んだにもかかわらず、キャンセルをされたという。アプリ内のメッセージ機能を使って農家側に理由を尋ねたが、なしのつぶて。返事がほしいと再度連絡したところ、ブロックされた。

デイワーク側に問い合わせると、担当者は農家側の規約違反であることは認めたものの、最終的にはタカヒコさんが泣き寝入りする結果となった。

タカヒコさんはたびたび同様の被害に遭ってきた。事業者側によるドタキャンが横行し、アプリ運営会社もそれを事実上黙認している現状について、タカヒコさんは「スキマバイトは“事業者ファースト”だから」と吐き捨てるように言った。

「ワーカーはそのために予定を空けておくので、ほかの仕事に応募もできません。見込んでいたお金も入ってきません」

たしかにワーカーにとっては踏んだり蹴ったりの話だ。事業者側によるドタキャンは労働契約の一方的な破棄・変更に当たらないのだろうか。

スキマバイト最大手のタイミーの規約を見ると、「契約締結について」という項目で「業務当日のQRチェックインが契約締結にあたります」との記載がある。ワーカーが勤務日に職場まで行き、所定のQRコードを読み込んだ時点で初めて契約が成立するのだという。つまりそれより前は雇用契約自体が存在しないということだ。

労働契約法とタイミーの規約とのズレ

しかし、労働契約法によると、労働契約は使用者と労働者の合意によって成立する。その解釈に従うなら、スキマバイトもマッチングの時点で契約締結とみなすべきではないか。現状のままでは通勤中に事故に遭っても労災が適用されないということになる。

ちなみにキャンセルポリシーはアプリによって違うが、タイミーでは、事業者側のキャンセルは業務開始の24時間前まで可能。当日のキャンセルについては「交通費・報酬金額の一部補償をお願いしております」とある。ただタカヒコさんによると、前日の深夜に届いたキャンセル通知に、勤務直前に初めて気が付くことも少なくない。補償を得るには、ワーカー自身がカスタマーサポートに問い合わせをする必要がある。周囲では泣き寝入りをするワーカーのほうが多いという。

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