「SearchGPT」は検索業界を劇的に変えそうだ 使ってわかったAIによる検索のすごさと問題点
東洋経済オンライン / 2025年1月19日 10時0分
2024年の夏から秋にかけて、検索エンジンやChatGPTが大きく変化し、進化している。第1は、検索エンジンが「AIによる検索」という表示を出すようになったこと。第2は、ChatGPTがSearchGPTと呼ばれるサービスを開始したことだ。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第138回。
「AIによる概要」とSearchGPT
「AIによる概要(AI Overvie)」が、Googleの検索結果ページの最上部に表示されるようになった。検索キーワードに基づいて複数のウェブページから情報を収集・要約し、生成AIが回答を生成する。2023年5月からSGE(Search Generative Experience)という名称で試験的に運用されてきた。
これによって、いちいちウェブサイトを開くことなく、概要的な回答を得られる。
このサービスは、2024年5月にアメリカで提供が開始され、8月には日本でも利用可能になった。
SearchGPTは、従来の検索エンジンの機能と生成AIの機能を組み合わせたもので、2024年7月に、プロトタイプが公開され、テストユーザーへの限定公開で導入された。10月31日に正式提供が開始され、現在では、無料ユーザーを含むすべてのユーザーが利用できるようになっている。
これまでの検索エンジンは、検索語に関係のありそうなサイトを示してくれるだけだった。ところが「AIによる概要」もSearchGPTも、質問に対する答えを直接に出してくれる。この意味で、検索のための手段が大きく変わった。
他方、これまでのChatGPTは、質問に対する直接の答えは出してくれたが、その元になっているサイトを示してくれるわけではなかった。これを知るには、サイト検索用プラグインを用いる必要があった。ところが、SearchGPTは、こちらが求めなくても参照サイトを示してくれる。
「直接に質問に答え、参照サイトを示してくれる」というのは、これまでもBingやBard(現Gemini)がやっていたことなのだが、いくつかの問題があった。
第1に、回答はかなり簡単なもので、詳しい情報は得られなかった。第2に、参照サイトをどのような基準で選んでいるかがわからなかった。マイナーなサイトや、原典でない2次的サイトを選んでいる場合が多かったように思う。
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