"もう1つの旧ビッグモーター"が歩む哀れな末路 事業再生ばかりに注力、補償手続きは二の次
東洋経済オンライン / 2025年1月20日 7時30分
損保の複数の関係者は、「今後の選択肢として法的整理はありえるとは考えていたが、何の前触れもなく、申請する直前の朝に突然呼び出された。そこで、民事再生法の適用申請に関する紙切れ1枚を渡してくるありさまだった」と口をそろえる。
その数日後、債権者説明会が開催されると、債務超過の状態にあるというBALMの厳しい台所事情が詳(つまび)らかになった。
土地などの違約金が約330億円
現時点で見通している債務の最大額は約830億円。そのうち銀行などからの借入金が約420億円、次いで借りていた土地などの違約金が約330億円、保険金不正請求などの補償債務が約64億円と見込んでいるという。
中でも、見込み額の変動幅が大きいのが土地などの違約金だ。最小見込み額は約60億円で、最大時と270億円もの差がある。
旧BMは不正請求が発覚して以降も、素知らぬ顔で新規出店を進めていた。そのため「今になってその一部が違約金として出てきてしまった。不正請求関連の債務をはるかに上回る金額で、われわれの補償に影響しないか気をもんでいる」(大手損保役員)という。
今後は民事再生法の適用申請によって、2025年4月ごろまでに銀行や損保などが債権額を届け出て、それを基に再生計画を策定。同計画を実行に移すのは、早くても11月以降になる見通しだ。
BALMや損保各社のこれまでの調査では、2018年1月から2023年8月までに受け付けた修理件数が約20.5万件ある。そのうちの4割に当たる約8万件で不正請求があったとみられている。
旧BMの事件をきっかけとして、中古車販売のグッドスピードやトヨタ自動車の系列ディーラーでも、相次いで修理費用などの保険金不正請求が発覚する事態になっており、自動車関連業界に向けられる視線は厳しさを増している。
被害回復に向けて、不誠実に映るような対応を繰り返せば、信頼回復の道のりはさらに遠くなる。
中村 正毅:東洋経済 記者
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
旧ビッグモーター、元従業員から客データが外部に流出か…… 「深くお詫び」運営謝罪
ねとらぼ / 2025年1月20日 13時27分
-
船井電機の持株会社も破産開始決定 別の債権者は民事再生法の適用を申し立て
ITmedia NEWS / 2025年1月16日 16時41分
-
FUNAI GROUP(大阪)が債権者から民事再生法を申し立てられる 船井電機の親会社
東京商工リサーチ / 2025年1月9日 16時20分
-
民事再生法から破産に 再生計画案作成が見込めず 旭機工(株)(東京)が破産開始決定
東京商工リサーチ / 2025年1月8日 12時20分
-
旧ビッグモーターの新CMに「ブラック社風が抜けてない」匂わせた“労働環境”
週刊女性PRIME / 2025年1月1日 17時0分
ランキング
-
1今どき「390円の天ぷらそば」ってマジ!? 駅ナカから復活開業した老舗駅そば 歴史は駅とともに
乗りものニュース / 2025年1月19日 11時12分
-
2「共通テスト国語」東大生から"疑問噴出"の中身 これって国語の試験?新たに追加された第3問
東洋経済オンライン / 2025年1月20日 13時10分
-
3海外記者が見た「日本の中居報道」に潜む異常さ サルを追いかけるのにはヘリコプター使うのに
東洋経済オンライン / 2025年1月20日 8時0分
-
4フジテレビへのCM放映を見合わせ企業が25社超に 中居正広さんと女性のトラブルめぐり
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月20日 15時38分
-
5もはや電車関係なく嫌だ、車内「迷惑ランキング」 マスクしない人増え「インフル大流行」に危機感
東洋経済オンライン / 2025年1月20日 6時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください