1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

トランプとの関係も微妙「石破政権」の崖っぷち感 24日に始まる通常国会で存在感を示せるか

東洋経済オンライン / 2025年1月20日 10時0分

(写真: Yuichi Yamazaki/Bloomberg)

通常国会が1月24日から始まるが、石破茂首相の前には、相変わらず暗雲が垂れ込めている。7月には参院選が控えており、東京都議選も予定されている。

一昨年末からの「政治と金問題」を受けて昨年の衆院選では自公が過半数を割り、都議会自民党でも同様の裏金問題が発覚した中、いずれも自民党の苦戦が予想される。

波乱が予想される参院選の鹿児島選挙区

そうした状況の下、今期で政界を引退する尾辻秀久前参院議長の三女で秘書を務める朋実氏が、参院鹿児島選挙区で立憲民主党の推薦を得て出馬することが発覚した。

昨年夏に行われた自民党の公募に落選した朋実氏に、候補者を探していた立憲民主党が注目。同党の川内博史県連選対委員長がかねて尾辻氏とドミニカ移民議連の関係で交流があったため、声をかけたようだ。

昨年末で自民党籍を失った朋実氏は、1月11日に立憲民主党に入党し、他の野党の支援を期待する。

一方で、園田修光元参院議員の公認を決定した自民党からは、7期のベテランで県議会議長も務めた外薗勝蔵県議が意欲を見せており、2001年の参院選から自民党が議席を独占してきた鹿児島選挙区は波乱の様子だ。もし参議院で過半数を割ることになれば、石破政権の求心力はますます低下する。

そもそも石破政権は発足時の支持率は高くはなかった。NHKの調査によれば、自民党が政権を奪還した後の発足時の内閣支持率は、安倍政権は64%、菅政権は62%、岸田政権は49%に対して、石破政権は44%と最も低く、大きく好転する様子もない。

そうした石破政権を支えているのが、野党というのがいかにも皮肉だ。野党第一党の立憲民主党は昨年の衆院選で50議席増の148議席を獲得して「政権奪還」を叫ぶものの、かつて同じ政党だった国民民主党からは「うちは数ではなく政策本位」と相手にされていない。

また立憲民主党は議席こそ増やしたものの、小選挙区では147万4761票も減らしており、「党勢の勢いがある」とは言い難い。

民主党・民進党で代表も務めた日本維新の会の前原誠司共同代表は、立憲民主党の野田佳彦代表と松下政経塾で先輩・後輩という近い関係でもあるが、前原氏は昨年に同党に入党したばかりである上、大阪維新の会の代表でもある吉村洋文大阪府知事が「前原さんは選挙で選ばれて共同代表になったわけではない」と目を光らせる。

微妙なバランスを崩しかねない石破氏

このように野党がバラバラである以上、比較第一党を維持していれば、自民党は下野を迫られることはない。石破政権は微妙なバランスの上に存在していることになる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください