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トランプとの関係も微妙「石破政権」の崖っぷち感 24日に始まる通常国会で存在感を示せるか

東洋経済オンライン / 2025年1月20日 10時0分

しかし、石破首相がそのバランスを自ら壊すような事態も発生している。昨年12月28日のテレビ番組では、今夏の衆参同日選の可能性について「衆参同日にやってはいけない決まりはない」と述べ、元旦のラジオ番組でも大連立の可能性について「選択肢としてありうる」と言明した。

その後、「(衆参ダブル選の)“だ”の字も言っていない」と同日選発言を修正し、「(大連立は)一歩間違うと大政翼賛会になってしまうので、気を付けなければならない」と弁明したものの、いったん総理大臣が口にした言葉は独り歩きするものだ。政治家は正論を述べさえすればいいものではない。

それは次期アメリカ大統領に就任するドナルド・トランプ氏との面会問題にも表れる。石破首相は昨年11月、APEC首脳会議でペルーを訪問した際にアメリカでトランプ氏との会談を希望したが、果たせなかった。これは2016年11月16日に、故・安倍晋三元首相が他の首脳に先駆けて大統領就任前のトランプ氏に面会したことに倣おうとしたものに違いない。

なお、当時の下馬評では民主党のヒラリー・クリントン氏が有利とされ、結果は大きく外れて、トランプ氏が勝利。安倍元首相は早速、首相補佐官だった河井克行氏を特使としてアメリカに派遣し、トランプ氏との面談にこぎつけたという経緯がある。

ちなみにこの年のAPEC首脳会議も、ペルーで行われており、安倍元首相はトランプ氏に会うためニューヨークを訪問した後、ペルーを公式訪問し、その後にAPEC首脳会議に出席している。

日米間の障壁も高くなっている

一方で石破首相といえば、再選を果たしたトランプ氏に電話で5分間ほど祝意を示したにすぎず、12月にトランプ夫妻と会食した安倍昭恵氏に早期会談の仲介を頼んだとされるが、実現していない。

なお2月に石破首相が訪米して日米首脳会談を行うことが調整されてはいるが、その頃はちょうど通常国会の真っ最中で、野党の反対も懸念される。

しかもUSスチール買収問題などで日米間の障壁は高くなっている上、トランプ氏と石破首相の相性が怪しい。安倍元首相が非常に嫌った石破首相を、はたしてトランプ氏が受け入れるのか。

そもそも石破首相は2018年4月26日の東洋経済オンラインのインタビュー記事(石破茂氏、「トランプと渡り合う私のやり方」  ポスト安倍の有力候補があるべき政策を語る)で、「相手がいちばん安な心理のときにディールをやるのがトランプ氏の手法」と発言している。要は「信用ならないヤツ」と言っているに等しいが、同盟関係の相手とは心を通わせる必要がある。

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