1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

住所非公開「ロールス・ロイス」特注専門の新業態 自分だけの1台を作るプライベートオフィス

東洋経済オンライン / 2025年1月21日 9時0分

西欧からクライアントが足を運んだとしたら、エキゾチックに感じられるだろう。

しかし、韓国らしさとかアジアらしさをデザインに反映するのが、ソウル・オフィスの目的ではない。あくまでも、「アジアの顧客がアクセスしやすい場所」として選んだのだという。

「なぜ東京にしなかったのか、という質問をもらいますが、ソウルのエネルギッシュな成長ぶりに魅力を感じたためです。ここに、日本からのクライアントもお迎えしていますし、要望があれば、こちらから日本へ行ったりもします」

2024年9月に本社から赴任してきたリージョナル・ビスポーク・デザイナーのジェームス・ロバート・ベイズン氏は、ソウルでそう説明してくれた。

作るのはクルマではなくクライアント自身

世界で1台だけのロールス・ロイスを作るのには、時間がかかる。何度もクライアントにインタビューを行い要望を聞き出し、ラフスケッチやコンピューターグラフィックスなどで具体的なデザインの提案を行っていく。

「私たちがプライベートオフィスで作るのは、クルマというより、クライアント自身を反映したオブジェクトなのだと理解しています」

ベイズン氏がそう語ると、ブラウンリッジ最高経営責任者は「このマーケットは確実に拡大しています」とつけ加えた。

そもそもロールス・ロイスは、仕上げの多様性という点で、群を抜いている。プライベートオフィスでない通常のディーラーで注文する場合でも、車体色だけで4万4000におよぶという。

プライベートオフィスにも、さまざまな色を塗ったスケールモデルが保管されているが、その数はかぞえきれないほどだ。内装のサンプルもしかり、ダッシュボードの素材見本もしかり。多種多様かつ多数である。

特別仕様はスピリット・オブ・エクスタシーまで

ロールス・ロイスは、ときとしてスペシャルな限定モデルも手がける。たとえば2024年の「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー」。

映画『007/ゴールドフィンガー』からインスピレーションを得た仕様として仕上げられたもので、細部まで凝った仕上げだ。

おもしろいアイディアは、ラジエターグリル上のスピリット・オブ・エクスタシー像。純銀製のマスコットに、18金で加工を施している。

映画の中で、悪役のゴールドフィンガーがファントムのボディパネル内に金塊を潜ませていたエピソードを参考に、スピリット・オブ・エクスタシーの一部から金がのぞいているよう、デザインしているのだ。ちょっとひねったユーモアが感じられる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください