YouTubeとテレビの「テロップ」作り方が違う理由 同じ動画でも「フォント」や「画面構成」に大きな差
東洋経済オンライン / 2025年1月21日 8時0分
突然ですが、下の画像のようなフォント(書体)は、どんな場面で使われているイメージがあるでしょうか。
【クイズ】この画像のようなフォント(書体)は、どんな場面でよく使われているでしょうか?
このフォントは、映画字幕特有のデザインが施されていて、例えば動画でレトロ感や感情に訴えかけるような場面で使用されることが多いものです(フォントは、ニューシネマBを使用)。
このように、映像が訴えたいイメージに合わせフォントを選ぶことは動画づくりにおいて不可欠で、テレビの番組制作でも長く実践されてきました。
しかし、YouTubeやTikTok、Instagramといった“新しいメディア”における「フォント選び」や「文字の扱い方」は、これまでのメディアの選び方とは少々特徴が異なるようです。
普段気に留めることは少ない、動画における”文字事情”を紹介します。
そもそも「テロップ」とは何の略?
テレビ放送において、実写映像の上から挿入する文字の呼称としてよく知られているのは「テロップ (Television Opaque Projector) 」で、当初は挿入する文字を専用のカードに記して、画面の上から焼き込むという方式が取られていました。やがて編集環境がコンピューター化され、フォントの選択肢が増えていきました。
現代では、テレビ番組の編集環境もYouTubeなどのウェブメディア向け動画のそれも、設備の大小はあれども基本的には共通したハードウェアやソフトウェアを使用します。極論を言えば、スマートフォンでロケをしてノートパソコンの映像編集ソフトウェアを使用して仕上げた映像がオンエアされることもあります。
ただ、やはりテレビとウェブとで同じように動画づくりが行われているわけではありません。視聴者のニーズや視聴環境の違い、制作リソースの違いがあるからです。
大きな違いを3つ挙げます。
まず1つ目は尺の長さです。テレビ番組では、基本的には一枠60分(前後や間のコマーシャルを含む)です。一方、YouTubeでは数分が主であり、縦型動画のYouTubeショートやInstagramリールなどになれば30秒以下の短尺となります。
2つ目が視聴端末の違いで、前者は家庭に置かれた大型のテレビ画面となりますが、後者はスマートフォンが主流です。となると、場所を問わず、イヤホンすら使わない無音声視聴するケースもあります。
3つ目はリソースの違いです。テレビ番組ではテロップやスーパーに専属のグラフィックデザイナーがつき、ディレクターの指示で作業しますが、ウェブメディアでは、そこまで分業させる余裕がない体制を敷いているところがほとんどです。
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