トランプ氏就任式に見た「男社会」への揺り戻し ビリオネアも民主党重鎮もいつの間にか"迎合"
東洋経済オンライン / 2025年1月21日 14時0分
競技場付近では20日午前、市民団体「レボリューショナリー・コミュニスト・パーティ」が、トランプ氏の名が書かれた旗や星条旗を焼いて、トランプ支持者や警官に取り囲まれた。とはいえ、団体参加者は18人程度。「ファシスト(のトランプ政権)を拒否する!」と叫んでいたのも5分程度だった。
一方、ホワイトハウス近くでは、ネオ・ファシズムの極右団体「プラウド・ボーイズ」数十人が、道ゆくトランプ支持者と交流していた。同団体にはトランプ氏が2020年の大統領選挙戦中、「一歩下がって、指示を待て」と言った経緯がある。
筆者が見たのはこの2団体だが、いまやさまざまな団体がトランプ氏の不規則発言などを理由に、活動を広げているように見られる。いずれにせよ、2017年に全米で数百万人が立ち上がった反トランプ派の勢いは影もない。
その代わり目立つのは、電気自動車(EV)大手CEOイーロン・マスク氏をはじめ、超富裕層のビリオネアや共和党穏健派、有名人、そして民主党重鎮のトランプ氏に対する"迎合"だ。
就任宣誓式にもIT大手トップが勢揃い
就任式前からフロリダ州にあるトランプ氏の自宅、マール・ア・ラーゴ「詣で」が加速した。イギリスのガーディアン紙のコラムニストは「へつらいには耐えられない」と書いている。
就任宣誓式にも、マスク氏ほか、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、アマゾンのジェフ・ベゾス会長などが勢揃いした。まさに、トランプ政権が億万長者の男性グループに強いサポートを得ていることが一目で分かる。
トランプ氏への迎合に走った主な人物、企業、団体は以下の通りだ。彼らの思惑は、自らのビジネスや活動がトランプ政権に批判されたり、攻撃されたりするのに巻き込まれないためというのは明らかだ。
TikTok(SNS企業)
中国企業バイトダンスが所有するTikTok(米ユーザー数は1億7000万人)は18日夜、「現在使えません」という表示が出て、アプリが利用できなくなった。
国家安全保障上の理由でTikTokを禁止する法律が施行されたためだ。しかし、トランプ氏が翌19日、TikTokの処遇について合意するための猶予を与えると表明。TikTokはアプリ再開の際、「長期的な解決策に向けてトランプ氏と協力する」という声明を出した。
20日、同社の周受資CEOは、トランプ氏の大統領就任宣誓式に出席した。
楽曲の無断使用を訴えていたバンドも参加
ビレッジ・ピープル(ディスコバンド)
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