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バレンタイン前にチョコ価格高騰が止まらぬ痛手 「カカオショック」店頭の高カカオ商品数は2割減

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 12時0分

チョコレートの値段が上昇傾向にある(写真:編集部撮影)

各種消費財の値上がりが続く中、チョコレートの価格上昇が目立つ。チョコレートの主原料であるカカオ豆が「カカオショック」と呼ばれるほど高騰しているためだ。

【画像でわかる】板チョコレートの価格がこうも 急上昇している

背景には、主要産地の西アフリカで天候不順や病害などが起こり、カカオ豆の収穫が大幅に落ち込んだことがある。投機的な動きも加わった結果、2024年4月にカカオ豆の国際相場は過去最高値となり、その後も不安定な相場が続いている。

チョコレートは最も販売金額の大きい菓子で、2024年の市場規模はおよそ4400億円となった。2025年もチョコレートの最需要期であるバレンタインが間近に迫っているが、カカオ豆の高騰はチョコレートの市場にどういった影響を与えているのだろうか。

板チョコレートの価格が税抜き145円まで上昇

チョコレートの価格動向を把握するため、全国約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」から、板チョコレートの平均個数単価トレンドをみてみたい。ここでは、ナッツやクリームなどチョコレート以外の素材が入っていない「無垢タイプ」に絞って、税抜き単価を確認した。

2022年のはじめには100円を下回っていた単価が徐々に上昇し、2024年12月には145円となった。2024年後半から加速的に値上がりしていることから、カカオ豆の高騰が価格に影響したものとみられる。

100円程度で買えた板チョコレートは、値ごろ感のある菓子として人気で、2024年も1月から10月までは販売個数が前年を上回っていた。ところが、販売個数は11月に前年よりも3%減、12月には9%減と落ち込んだ。急激な価格上昇により割高感が出たため、買い控えが起きているものとうかがえる。

店頭で起きている高カカオチョコレートの品薄

カカオショックは、チョコレート商品の供給にも影響を与えているのだろうか。カカオの使用量がとりわけ多い高カカオチョコレートに着目し、スーパーマーケットにおける販売金額と商品数の前年比を確認した。

高カカオチョコレートの販売金額は2024年4月15日週、6月3日週、8月26日週に急伸した。さまざまなテレビ番組の特集でカカオの健康・ダイエット効果が注目を集めたためだ。ところが9月中旬以降の販売金額は前年をやや上回る水準にとどまっている。

そうした中、商品数は9月に入ってから減少し、足元では前年比80%と2割減の水準で推移している。カカオ豆の高騰により、適正な価格で十分な量を確保できず、商品の供給を抑えざるをえないメーカーも出てきているようだ。販売金額の伸び悩みも、店頭での供給不足が一因と推察される。

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