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"宙づり国会"の与野党攻防は「出たとこ勝負」に 「予算」「企業・団体献金」「夫婦別姓」で駆け引き

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 8時20分

これに対し、野党第1党の立憲民主・野田佳彦代表は「『賢い支出』かチェックする役割を果たしていきたい。われわれの提案について予算案の修正を求めていく場面は、当然生まれてくる」と、予算修正への強い意欲と自信をにじませた。さらに野田氏は、東京都議会の自民党会派が開いた政治資金パーティーをめぐって会計担当者が略式起訴されたことにも言及し、これまで通り「自民の政治とカネの問題」についても厳しく追及する方針を強調した。

一方、吉村洋文維新代表(大阪府知事)は「今回の国会で絶対やるべきだと思っているのが、社会保険料を下げる社会保障改革と、高校授業料の無償化だ。賃上げをしていかなければならない中で、手取りで一番大きく引かれているのは社会保険料であり、真剣に取り組むべきだ」と、予算審議の中で同党の“看板政策”でもある高校授業料無償化などの実現を求める考えを力説した。

また、古川元久・国民民主党代表代行は「いま政治にできることは手取りを増やす政策だ。『年収103万円の壁』の178万円への引き上げは一番キーとなる政策なのでこだわっていきたい。党の主張が受け入れられたと判断できれば、予算案に賛成することはありうる」と、与党が『103万円の壁』で大幅な引き上げ案を示せば、予算案に賛成する考えを明らかにした。

さらに、田村智子・共産党委員長は「選択的夫婦別姓はジェンダー平等を進めていくうえで不可欠だと思うので、国会の中での議論を求めていきたい。企業献金が政治をゆがめてきたので全面的な禁止が必要だということを大いに議論し、実現していきたい」などと表明。舩後靖彦・れいわ新選組副代表は「自民党は国民には増税し、自分たちは『裏金』をキックバックだ。『ぬすっと』からこの国を取り戻す。れいわ新選組は今年も激烈に戦う」と語った。

続いて、残る3党がビデオ出演し、神谷宗幣・参政党代表は「アメリカの大統領がかわり、政策が変わると思うので、日本の政策も変えていかなければならない」、百田尚樹・日本保守党代表は「『日本を豊かに、強く』を理念に立ち上げた政党だ。理念に沿う形であれば賛成、そうでなければ反対というふうに是々非々で臨みたい」、福島瑞穂・社民党党首は「食料品にかかる消費税ゼロ、教育費、給食、高校や大学の授業料の無償化、非正規雇用の正社員化などをやっていく」などとそれぞれ主張した。

こうした各党の主張や要求を比較・分析すると、攻める野党各党の「政治的立場の違い」も浮き彫りとなる。少数与党の「宙づり国会」の中で、いわゆる“ゆ党”(“や党”と“よ党”の中間)として与党寄りの姿勢が目立つ維新、国民民主両党は、「どちらも予算賛成を視野に入れた条件闘争」(自民国対)を展開する構えだが、立憲は「状況次第では、維新や国民民主が予算賛成に傾きそうな段階で、内閣不信任案をぶつける」(有力幹部)と強く牽制する。

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