"宙づり国会"の与野党攻防は「出たとこ勝負」に 「予算」「企業・団体献金」「夫婦別姓」で駆け引き
東洋経済オンライン / 2025年1月22日 8時20分
ただ、立憲内部には「采配を振るう安住淳予算委員長(立憲所属)の立場もあり、長期暫定予算に追い込むようなことは避けるべきだ」(閣僚経験者)との慎重論も少なくない。
立憲、維新低迷、際立つ国民民主の躍進-各種世論調査
というのも、年明け以降に各主要メディアなどが相次いで実施した世論調査を分析する政治アナリストの間では①石破内閣の支持率は低迷しているが、政権の危険水域ではない②野党では立憲の支持率が下落、維新も低迷している一方で、国民民主の支持率は立憲を上回るケースも目立つ③野党の対与党交渉の主導権争いでは、完全に国民民主が抜け出しつつある④現状が続けば、野党各党の参院選戦略はそれぞれ大幅見直しが必要となる――などの見方が広がっているからだ。
だからこそ、「石破首相を先頭に政府・与党幹部は野党の“手柄争い”を利用して、政策をめぐる個別交渉で野党を分断し、なんとか国会を乗り切って“参院選勝利”につなげたい考え」(自民長老)とみられている。
ただ、20日に第47代アメリカ大統領に返り咲いたトランプ氏は、「Make America Great Again(メイク アメリカ グレート アゲイン・ MAGA=アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)に向け、大胆なアメリカ第一主義を具体化する記録的な数の大統領令署名などで世界を震撼させている。
これに対し、石破首相は「トランプ氏と腹を割って話せば、理解は得られるはず」と2月上旬にも訪米し、日米首脳会談での同盟関係強化に自信をにじませるが、政府与党内にも「防衛費の大幅増額など、とんでもない要求を突き付けられる可能性大」と不安視する声が多く、「訪米が政権動揺の要因にもなりかねない」(自民長老)との悲観論が相次ぐのが実態だ。
泉 宏:政治ジャーナリスト
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