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フジ「CM停止ドミノで大赤字」が普通にあり得る訳 倒産は非現実的だが、営業利益率を考えると

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 14時15分

なにより、倒産して8チャンネルが不在になるとは信じられない。それはもしかすると、私がフジテレビの復活を願っているからかもしれない。

フジテレビの経営状況は?

ところで、ホールディングス会社のフジ・メディア・ホールディングスの決算情報とは別に、子会社であるフジテレビの経営状況の全体像を把握するのは難しい。

ただし、最新の決算書から子会社のフジテレビの経営状況を見ると次のとおりだ。

 期/2022年/2023年/2024年
 売上高(単位:百万円)/238,240/237,400/238,219
 営業利益(単位:百万円)/11,280/7,677/5,433
 営業利益率/4.7%/3.2%/2.3%

ここ数年、営業利益率は下落している。

また、私が注目したのがスポットCMの売上高だ。スポットCMとは、その都度に注文されるものだ。メディアに不祥事が起きたときにもっともキャンセルされやすい。

 期/2022年/2023年/2024年
 スポット収入(単位:百万円)/88,814/80,506/73,662
 スポット比率/37.3%/33.9%/30.9%

年々減少しているものの、上記のように相当に高い。そこで、スポット収入の額と営業利益を比較してほしいのだが、はるかにスポット収入が大きい。

これは説明するまでもないが、スポット収入がなくなると、営業利益=本業での利益、がすべて吹っ飛ぶどころか、営業利益の10倍くらいにいたる。

現在、CM差し替えが50社くらいにいたっているという。どのような契約だったかは、正確にはわからない。しかし、そのうち大部分がスポットCMもスポンサードしているはずで、この影響は小さくないと予想できるだろう。

このスポットセールスがあまりにも比率が大きかったために、監査法人も「収益認識」として有価証券報告書に多くを割いて記載しているほどなのだ。

まとめると、「倒産」は現時点では非現実的だが、「赤字」は十分にありうると言えそうだ。

スポンサー企業との契約は自由

なお、これまた当然であるが、民間同士の取引は自由意志に基づく。

現時点では、フジテレビが組織として悪しきことをしていたかはわからない。また、疑わしきは罰せずという言葉があるように、今の時点で、同社を断罪するのは早いのではないか、とも思う。あくまで、調査の前に臆測で物を申すのは控えなければならない。

ただ同時に、スポンサーであり続けるか否かも自由だ。フジテレビの対応を鑑みて、CMを差し替えたり、継続の契約を締結しなかったりするのも、やはり自由と言わざるをえない。

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