フジ「CM停止ドミノで大赤字」が普通にあり得る訳 倒産は非現実的だが、営業利益率を考えると
東洋経済オンライン / 2025年1月22日 14時15分
すでに、第三者委員会の設置も選択肢との報道も出ているが、一旦、「第三者『的』な委員会」しか設置しないとの意思を示したことは、スポンサーにはネガティブに受け止められた可能性が高い。「事件の真相を追求しないのではないか?」と感じた企業もいたのではないか。
そして彼らが、CMを引き上げるのは、それは企業としての判断としかいえない。それは批判するべきではない。「CM費用を出し続けるべきだ」と支出の強制はできない。
もちろん「フジにCMを出し続けるほうがいい」と主張するのも自由だし、実際にそうかもしれない。CMを止めたら収益が激減するかもしれない。それも企業の選択次第だ。また、下がってもしかたがない、と考えることも企業の自由だ。
ただ、第三者はいつでも無責任なことをいうから、自社のブランディングと収益を守るために、企業は第三者の意見に左右されずに信念にそって判断をするのがいい。
ところで、これからフジテレビは第三者委員会、もしくは第三者的な委員会を作って、中居正広さんの“事件”について調べることになる。ただ、中途半端な報告書では、世間どころか株主が満足しないだろう。なによりスポンサー企業が納得しない可能性がある。私はフジ・メディア・ホールディングスの株主(しかし最低限の単元株のみ)だが、私もやや不満に思うかもしれない。
なぜ第三者委員会の報告書が必要になるのか。それは、これから企業の不祥事について株主訴訟などが生じた場合は、誰に真因があるのかを明確化するためでもある。
たとえば第三者委員会の資料が経営陣の責任を問わないのであれば、それは経営者が賠償責任を免れるだろう。逆に第三者委員会が経営陣の責任を認定するなら、経営陣が賠償責任を負うだろう。
だからフジテレビの経営者が、今回の事件について責任がないと信じるのであれば、笑ってしまうほど厳しい第三者委員会を設置して、自らの潔白を証明するほうがいい。それが企業のシロを喧伝することになる。
私はひとりの株主として、徹底的な調査で洗いざらいを公開してほしいと願っている。企業にトラブルはつきものだ。あとは、これを今後の成長につなげてほしい。
【もっと読む】フジCM出稿停止「企業の判断」が間違ってない理由 懸念のあるメディアへの出稿はリスクでしかない では、CM出稿停止を選んだ企業の考えについて、坂口孝則氏がコンサルタントの立場から詳細に解説している。
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坂口 孝則:未来調達研究所
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