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「失敗は成功のもと」を鵜呑みにしている人の盲点 リスクを「リスクでなくする」ためのプロセス

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 13時0分

リスクを予測して適切な準備を整えておけば、実際に問題が起きたとしてもすぐに対処できるので、脅威として認識する必要がなくなります。

私がインプラント手術をするときも、リスクを想定した上で、リスクを回避できる治療方針を考えているため、その時点でリスクはなくなります。リスクは対策を講じることでリスクではなくなるのです。万が一、想定しなかった問題に直面しても、「"想定していない"問題に直面した場合は、こう対処する」と決めておけば、問題を最小限に食い止めることができます。

また、リスクを管理するときは、小さな工程(作業)に分けて管理しましょう。工程を小さく分解することで、「各工程に潜むリスクが明確になる」「リスクの見逃しがなくなる」「適切な回避策、対策が立てられる」ようになります。

大きなタスクを1度に管理するのではなく、タスクを分解し、個々のリスクを想定し対策を取ることで、「リスクをなくす」ことができるのです。

「無駄な努力」を無駄にしてしまわない

結果を出す人は、結果を出せない人よりも、「プロセスに無駄が少ない」「物事を簡単に進める」傾向にあります。難易度の高いことや複雑なことでも、シンプルに整理し、問題解決に直結するアプローチを取っているのです。

無駄が少ない理由は、主に「2つ」あります。

①目標が明確だから

物事に取り組む前に「目標とゴール」を明確にしておくと、「何が無駄か」を早い段階で見極めることができます。目標達成に必要なことだけに集中できるため、無駄な作業に時間を費やすことが少なくなります。

②改善を繰り返しているから

新しいことに挑戦する場合、最初から無駄をなくすことはできません。何が無駄で、何が無駄ではないかの判断がつかないからです。

「どうすれば無駄をなくすことができるか」を時間をかけて検討するのは、かえって時間の無駄です。目標設定をしたらすぐに行動に移す。そして、PDCAサイクルを回しながら不要な作業を洗い出し、少しずつ無駄をなくしていくのです。

結果を出す人は、「無駄のない人」ではなく、正確には、「たくさんの経験を地道に積み上げた結果として、無駄に気づき、その無駄を改善してきた人」です。

私も、人の何十倍も、何百倍も無駄を積み上げてきました。人よりも無駄な時間と無駄なお金と無駄なエネルギーを使ってきました。

無駄を省くためにも、たくさんの無駄を経験する。無駄を経験することで、何が重要で、何が無駄かを区別できるようになります。最初から完璧を求めるのは難しくても、無駄に見える経験から多くを学ぶことができるでしょう。

井上 裕之:いのうえ歯科医院理事長

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