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上司必見「叱られたくない世代」に好かれる叱り方 「人手不足の時代」に問われる叱り方の重要性

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 8時10分

それにより毎年、離職者が出る状況でした。

そこで社長から営業部長にこのように伝えてもらいました。

「君の仕事に対する熱意の高さは、本当に素晴らしい。だからこそ営業成績もトップなんだと思う。ただ、その熱意は部下に対する当たりのきつさになっているところもある。いまは人が採れないから、部下の離職は会社にとって本当に痛い。そこで相談なんだが、部下への当たりのきつさを和らげるとした場合、どういう工夫ができるかな?」

すると営業部長は「叱るべき点は叱るべきであり、その点は譲れないです。ただ、もっと冷静に叱ることはできると思うので、まずはその点を意識していきます」と答えました。

社長は「なるほど。それでいいと思う。では、まずはその点を意識して部下と関わってほしい」と伝えました。

その結果、営業部長の当たりのきつさは緩和され、離職者も出なくなりました。

こういった叱り方をするうえで注意しなければいけないのが「怒り」です。

怒りは心拍数を上げ、戦闘態勢をとらせ、攻撃心を喚起する感情です。

攻撃心が喚起されると、相手の心のダメージを大きくするため、わざとプライドを傷つけようとすることがあります。

ただ、部下を叱る目的は「攻撃」ではなく「行動を改めさせること」です。その目的を叱る前に意識し、叱り始めてからもずっと意識してください。

叱り始めて言葉を発するにつれ、怒りがこみあげ、攻撃心が芽生えたら「叱る目的は攻撃ではない。行動を改めさせること。そのために最適なコミュニケーションをとれ」と目的に立ち返ることで、冷静になるきっかけが得られます。

現場の反応、現場の声

こういった叱り方を心がけることで、部下に嫌われずに叱れる可能性が上がります。

私が主宰する経営心理士講座でも叱り方をお伝えしていますが、受講生の半分くらいの方が、この叱り方で部下を叱ってきます。

その結果、部下との関係を悪化させることなく部下に行動を改めてもらうことができたという声をたくさんいただいています。

また、叱る前より叱った後のほうが、部下との関係が深まったという声も数多くいただいています。

組織の統率をとり、業務の質を担保するためには叱るべきときに叱ることが必要です。

一方で、人手不足が深刻化している時代だからこそ、叱って部下に辞められたら会社は大きなダメージを被ります。

だからこそ、叱り方にはより一層留意していただければと思います。

藤田 耕司:経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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