1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

MIXI、「競輪チャリロト」不正発覚で再燃する不安 再び露呈したガバナンス不全、過去の教訓生きず

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 7時50分

MIXIにとって、子会社の不祥事は今回が初めてではない。

2015年に115億円を投じて買収した、チケット転売サイト「チケットキャンプ」を運営するフンザに対し、警察は2017年12月、商標法と不正競争防止法違反の疑いで強制捜査。翌年5月にチケットキャンプは閉鎖された。

その後、MIXIの森田仁基・前社長らが商標法違反の疑いで書類送検される事態にまで発展した。辞任に追い込まれた森田氏の後任として、ガバナンス改革を任されたのが木村現社長だった。

当時の第三者委員会の調査では、森田前社長がフンザの管掌役員でありながら、問題があるとされた商標の使用を認識していなかったことなどから、フンザとMIXIとの間での情報共有の不備を指摘されている。一連の事態を受けて、MIXIは執行役員制度を導入し、管理部門の役員を任命するなどガバナンス強化を図ってきた。が、結果的に教訓は生かされなかった。

MIXIはチャリ・ロトでの不正再発防止策として、取引先との面談記録を義務化し、購買先の選定審査などを行う「審査部」を設置するという。

早々にサービス終了に追い込まれたチケットキャンプと異なり、チャリ・ロトの事業は継続される見込みだ。MIXIは「事業の成長性に与える影響は軽微」(島村CFO)とするが、長きにわたり代表を務め、個人的なつながりで取引先を集めていた上田氏の解任後も、同社がこれまで通りの成長を続けられるのかは現時点で不透明だ。

一方、上田氏の後任の代表取締役には、MIXIから出向している石原洋輔氏が就任した。チャリ・ロト社の財務経理部長として出向し、取締役も務めてきた人物だ。

調査チームは一部調査を実施できず

今回の調査では、2人以外のチャリ・ロトの役職員が関与したことをうかがわせる事実は判明しなかったものの、調査チームは一部の関係者の協力を得られず、意図した調査を実施することができなかったとしている。公正さが求められる公営ギャンブル事業にもかかわらず、取引の健全性についてMIXIが十分な説明を尽くしたとは言いがたい。

“モンスト一本足”から脱却し、持続的な成長を描くには、この先もM&Aが有力な選択肢となりうる。子会社のガバナンスという経営の根幹が揺らぐ中、先行きには不安感が漂っている。

田中 理瑛:東洋経済 記者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください