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「創造的破壊」が資本主義を破壊してしまう「逆説」 「イノベーション理論の父」シュンペーター予言

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 16時0分

こうして、実業家たちは、長期的な視野に立った投資を行わなくなってしまうのだ。

家族動機の提供していた推進力の衰退とともに、実業家の時間的視野はだいたい自分一生の予想だけを考える程度に縮小する。そうなれば彼は、かせぎ、貯蓄し、投資するという機能を果たすことに昔ほどの熱意は示さなくなるであろう(前掲書より)

こうして長期的な投資が行われなくなれば、その当然の結果として、資本主義の発展は止まってしまうであろう。

シュンペーターは、このように論じたのであった。

要するに、資本主義という経済システムは、家族という経済合理性では説明できない制度や、親子の情愛という損得勘定を超えた価値観に支えられて、発展するものなのである。

これこそが、シュンペーターの核心的な洞察であった。

今日の日本では、少子化が大きな問題となっている。

若い世代の間には、「コスパ」だ「タイパ」だと、損得勘定を最優先する合理主義が蔓延している。

日本企業は、四半期ごとの利益の最大化に汲々とし、長期的な視野に立った設備投資や研究開発投資に消極的になっている。

そして、日本経済は、停滞から抜け出せなくなっている。

まるで、シュンペーターの予言のとおりではないか!

中野 剛志:評論家

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