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東大生語る「受験の攻略」に"ニュース"は不可欠だ 論点が分かると、様々な時事ネタが理解できる

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 7時10分

このように文系・理系を問わず、さまざまな時事ネタに絡めた問題が出題されています。

最近は、この傾向がより強くなっています。大学入試改革の一環で、センター試験から共通テストになり、「新聞で載っているようなテーマを使った入試問題の出題」は増加傾向にあります。試験で高得点を取るためには、参考書の内容を覚えるのと同じくらい、新聞やニュースで時事ネタを押さえる必要があるのです。

東京大学は、その最たる例です。東大の入試には国語、英語、社会、理科、そして数学においてさえ、その当時の世相を反映したような問題が出題され、毎年のように世間を賑わせています。

例えば、東大の有名な入試問題に、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という数学の問題があります。これは、その当時の「ゆとり教育」をめぐる議論のなかで、「円周率を3.14ではなく3と教えていいのか?」という考えがあったことに対する、出題だといわれています。

これらの問題に対応できた東大をはじめとする難関大に合格した受験生は、日頃からニュースを見て、教養を身につけていました。その多くは、小さいころから新聞や報道番組などでニュースに触れ、「なにが論点なのか」をしっかり理解するよう心掛けています。書籍を読んだり、ノートにまとめたり、人とディスカッションなどをすることで、論点を考えつつニュースを読み解いているのです。

こうして身の回りのニュースから知識を得て、日頃から考えるクセをつけているからこそ、彼ら・彼女たちは東大に合格するだけの知識や思考力を身につけることができたのだとも言えるでしょう。

次々と生まれるニュースの変わらぬ論点

世の中では次々とニュースが生まれ、どんどん情報が更新されていきます。しかし、不思議なことに、その大元にある論点はそれほど変わりません。

生成AIやディープフェイクの規制に関する議論は、これまでも最新のテクノロジーが生まれるたびに直面してきた問題ですし、社会保険費の高騰や各業界の人手不足などはいずれも少子高齢化に端を発する問題です。輸入食料品の安全性が問われるような事件があるたびに、日本の食料自給率は低くていいのかということが議論になります。

事件も議論の中身も、その時々で変わりますが、本質的な論点である「少子高齢化」や「日本の食料自給率」というテーマ自体は変わりません。

その問題の本質さえ押さえていれば、どのようなニュースも同じ文脈の中で理解できます。学校側としても、個々の出来事に関する細かい知識を聞いているのではなく、「なにが論点か」を正しく把握できているのかをみています。

東大に合格した受験生たちは、この論点を正しく把握できていたからこそ、さまざまな時事ネタが絡んだ入試にも対応できたのです。受験対策としてニュースを日々追いながら、何が本質的な論点なのかも、ぜひ意識して考えてみてください。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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