「女帝逮捕」東京女子医大の再生は可能なのか 新理事長と学長が単独インタビューに応じる
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 8時0分
1月13日、東京女子医科大学(東京・新宿区)の元理事長・岩本絹子容疑者(78)が、警視庁捜査二課に背任容疑で逮捕された。一級建築士の男に、業務の実態がないのに新校舎建築のアドバイザー報酬を払い、約1億2000万円の損害を女子医大に与えた疑いである。
かつて名門大学病院として知られた女子医大は、「女帝」と学内で恐れられた岩本容疑者の乱脈経営とコロナ禍が重なって患者数が激減。不適切な経営判断によって医師や看護師が大量に退職し、診療現場に混乱が続く。
新体制の舵取りを任された清水治理事長と山中寿学長が、元理事長の逮捕後に初めてメディアの単独インタビューに応じ、女子医大が直面する現実と名門復活に向けたシナリオを語った。
創業家の呪縛を解いた元理事長の逮捕
2024年12月、女子医大の経営トップに就任した清水治理事長(71)は、旧大蔵省主税局総務課長や内閣府審議官など要職を歴任。2024年3月まで早稲田大学大学院教授を務めていた。弁護士資格を持つ。
【写真】元理事長の逮捕後に初めてメディアの単独インタビューに応じる東京女子医大の清水治理事長と山中寿学長
山中寿学長(70)は三重大学医学部を卒業、1983年に女子医大の附属リウマチ痛風センターに入職して、2003年から2019年まで教授を務めた。学長就任は2024年10月、任期は2025年6月まで。
2人はいずれも岩本容疑者との接点がなく、これまでの実績から女子医大の再建を託された。元大蔵官僚の清水理事長が経営全般とコンプライアンスなどを担当。36年間にわたって女子医大に在籍した山中学長が、診療・教育・研究の改革を主導する。
インタビューは、岩本容疑者が逮捕された3日後に女子医大の会議室で行われた。まず元理事長逮捕についての本音を尋ねると──
清水理事長:ついに警察の捜査で、背任容疑が固まったということですね。女子医大が新しく生まれ変わるには、社会の信頼を得ていかなければなりませんが、この事件によって再び厳しい目が向けられる。それを私たちは受け止めなければならない。逮捕当日は記者会見を開いて、現経営陣として謝罪しました。
山中学長:創業家との決別という意味では、岩本容疑者の逮捕は悪いことではないと思います。新体制の女子医大が、警視庁に情報提供など最大限の協力をしているのも、できるだけ早く全貌を解明していただくことによって女子医大が本当に脱皮できる、と思うからです。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
東京女子医大に「秘密警察」 元理事長、職員メール検閲か
共同通信 / 2025年1月18日 19時43分
-
〝女性版プーチン〟独裁の恐怖 東京女子医大元理事長を逮捕 岩本絹子容疑者は「医者というより政治家」1億円超を不正支出
zakzak by夕刊フジ / 2025年1月14日 11時44分
-
東京女子医大元理事長・岩本絹子容疑者の“守銭奴”ぶり…自宅に現金1.5億円、金塊2キロ、ブランド品の山
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月14日 11時3分
-
東京女子医大の岩本絹子元理事長を逮捕、新校舎工事で不正支出疑い 費用の一部還流か
産経ニュース / 2025年1月13日 19時41分
-
逮捕の元理事長は「権限集中、金銭に執着」 東京女子医大、現理事長が会見で謝罪
産経ニュース / 2025年1月13日 19時18分
ランキング
-
1「フジはヤバい」と追求する側にも潜む"リスク" "性接待"は本当にフジテレビだけの問題なのか
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 12時45分
-
2トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月24日 11時14分
-
3白子は「腎」の機能を高めて尿トラブルに威力を発揮してくれる【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月24日 9時26分
-
4【風呂キャンセル界隈】「お風呂に入らないことがある」女性は半数以上 - 最も面倒だと感じる工程は?
マイナビニュース / 2025年1月23日 17時48分
-
5Kōki,がアイスランド映画の主演を獲得した事情 監督は両親が日本のセレブとは知らなかった?
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください