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1億で作った「三田のサグラダファミリア」驚く事態 再開発地区に指定されたことで二転三転…

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 7時31分

「材料の値上げはラスト数年がいちばんすごかったですね。セメントはちっとも値上がりしなかったのが、1.5倍ぐらいになりました。鉄筋は、2022年の北京オリンピックのときに3倍ぐらいになっちゃったかな。ただ、ほとんど作り終えていたので、逃げ切ったという感じです」

コンクリートの質がよいということで高いコストを想像したが、さほど影響はない。むしろ、強固で耐久性の高いコンクリートであるため、コンクリート壁を二重にする工事や防水工事を避けることができ、コストを抑えられているともいえる。

まだ完成していない

建築家ガウディの「サグラダ・ファミリア」になぞらえられることが多い蟻鱒鳶ル。建物内部は、キッチンの工事や内装の仕上げ、手すりやドアの取り付けなど、まだまだ作業は続いていく。

「昨年の秋から、あっちこっちで『完成した』って書かれていますが、僕、ひと言も完成したなんて言っていないんですよ。でも、どの状態を完成とするかと言われたら、今でもいいのかもしれません。それは『こういう建築を作りたい』と最初に僕が考えたものができたから。来年に完了検査を受けたら、法律的に完成となります。キッチンをどう配置するかなどは少しも考えていないので、あとは普通のことをやるだけです」

東京・三田のサグラダ・ファミリアのようなビルと、高くそびえたつビル。対象的な建物が見られるこの地を、筆者は何度か歩いてみた。さまざまな年代の人が行き交い、写真を撮る人も多い。

熱心にスケッチをする人の姿も

「いろんな人が見に来ています。おじいちゃんやおばあちゃんたちの集団が並んで座り、絵を描いている日もありますよ。そんな方を見て、『あれ、人気があるの?』と気づいてくださる方もいて。ずっと応援してくれていた人たちが『よかったじゃん、岡くん!』と声をかけてくれます」

異形の住宅、蟻鱒鳶ル。雨に濡れる姿も夜の闇にたたずむ様子も見応えがある。200年、300年持つと言われているこのビルは、時代や街の変化の中でどのように存在していくのか。10年後も20年後も、さらにその先もフシギさを体感し続けたい。

【前編を読む】建築に20年!「三田のサグラダファミリア」の圧巻

【50枚の写真を見る】地下やお風呂、屋上にも不思議な光景が広がる。蟻鱒鳶ルを作った岡さんの写真も

鈴木 ゆう子:ライター

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