487万円~ワーゲン「新型ティグアン」の◯と✕ 楽しい走りは「目からうろこ」も気になる点も
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 13時0分
高速走行でも、乗員の姿勢はつねに安定。サスペンションアームはよく動くうえに、コイルスプリングもダンパーもしっかり働く。おかげで車体の上下動が抑えられて、ドライブ中の上質感も高い。車内の騒音レベルも低くて、このクルマで長距離を走るのもよさそうだ。
「eTSI R-Line」には電子制御ダンパーも
もうひとつのよさは、運転の楽しさにある。足まわりがしっかりしていて、操舵感は軽く、カーブに入るときの車体ロールは抑えめ。すいすいっと曲がっていく。
減速感もいいし、カーブを抜けて加速していくときは、先述のようにモーターが働くので素早い。
さきに少し触れたDCCプロは、「アダプティブシャシーコントロール」ともいわれ、サスペンションシステムに組み込まれた電子制御のダンピング機構。路面状況やドライバーの運転に応じて、ダンピングを変化させる。
新型ティグアンのeTSI R-Lineには、ダンパーの伸び側と縮み側を独立して制御する最新のシステムが採用された。乗り心地重視にもスポーツ走行にも対応。車内で設定を選ぶことができる。
御殿場ICから東名高速を走り、箱根の山道を走ってみて、「フォルクスワーゲンは、こんなに楽しいクルマを作れるのか」と、目からうろこが落ちる気がしたほどだ。
4気筒エンジンの排気量は1497ccしかないし、パワーも目を見張るような数値ではないものの、このクルマには「必要にして十分」だし、回転マナーといいトルクの出方といい、なんというかフィーリングがよい。
悩ましい価格展開とゴルフの存在
今回、乗ったeTSI R-Lineの価格は588万9000円。これに対して「日本で人気が高い」とフォルクスワーゲン グループ ジャパンの広報担当者が言うディーゼルの「TDI 4MOTION R-Line」は653万2000円と、メカニズムに応じて価格差も大きい。
実際、ディーゼルもよく出来ているし、4MOTIONという4WDシステムによる安定感も捨てがたい。でも、価格差を意識するなら、eTSIを選んで後悔はないだろう、と思う。ガソリンエンジンのいいところが、上記のように堪能できるはずだからだ。
では、ゴルフがよくないかというと、そんなことはない。最新の「8.5」世代(現在のゴルフ第8世代に対して「ゴルフ8.5」などと称される)に先だってドイツで乗った印象では、クルマの基本であるエンジン、ハンドリング、ブレーキングがしっかりしたモデルだった。
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