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言語化は「うまい言葉を使えばいい」という大誤解 元裁判所書記官が教えるうまい情報整理の本質

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 16時0分

言葉が出てこない原因の大半は、「素材(情報)」が足りないからではなく、「整理」がうまくできていないからなのです(写真:Graphs/PIXTA)

「知っているはずなのに、うまく言葉にできない」。そんなもどかしさを感じるとき、実は新しい情報は必要ありません。大切なのは、すでにある情報を整理することなのです。

シンプルなのに「会議」「企画・アイデア」「知識の習得」すべてに使える裁判所書記官のメモの秘密を解説した『その場で言語化できるメモ』より一部抜粋、再構成してお届けします。

「言葉にできない」=「知識がない」わけではない

世の中は情報であふれています。スマホやパソコンを開けば、動画もニュースも誰かの意見も、とめどなく流れてきます。様々な情報を否応なく目にしていると、もはや、それが本当に自分の知りたいことなのか、必要なことなのか、わからなくなってきてしまう感覚すらあります。

【図を見る】そもそも言語化とはどういうこと?

さらに、私たちの頭の中にはすでに、誰かから学んだこと、本や映画などの内容、過去に自分で経験したこと、感じたことなどが、ごちゃっとしまい込まれています。

「〇〇については、あんなデータがあったような。でもあの有名人はこんな話をしていたな。私の体験としてはまたちょっと違うんだけど……」

頭の中にある様々な情報から自分の言葉を取り出そうとしても、絡み合って、なかなか出てきません。

こんなとき、言葉が出てこないのは知識がないせいだと思って、さらに新たな情報を探したりする人もいます。けれども、何かを足せば足すほど、余計に何が言いたかったのかわからなくなってしまいます。

その理由は、足りないからではなく、本来なら「ある」はずの自分の想いや考えを、ちゃんとした形で引き出せていないからではないかと思います。要するに「ない」から言えないのではなく、整理ができていないだけなのです。

あなたは、こんまりさん(近藤麻理恵さん)の『人生がときめく片づけの魔法』という本をご存じでしょうか?

私がこの本を読んだとき、「言語化」もある意味、片づけによく似ているなと感じました。

こんまりさんのメソッドでは、一度、同じ種類のものをすべて集めて見えるようにし、そこからときめくかどうかで取捨選択をして整理していくことで、部屋がスッキリ片づいていきます。

言語化も同じで、一度、情報を頭の中から出して、コミュニケーションの目的に応じて整理していくことで、ようやくスッキリわかりやすく伝えられるようになります。

言葉が出てこない原因の大半は、「素材(情報)」が足りないからではなく、この「整理」がうまくできていないからなのです。

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