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「お金貯め込みすぎた高齢者」が失う"3つの幸福" 「お金を使わない」のは本当に"いいこと"なの?

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 7時0分

近居の長男が「しょっちゅう様子うかがいをしていたのだから、自分のほうが多くもらうべき」という主張をはじめたのです。

相続は平等と考えていた次男は驚き、それぞれの配偶者までが口を出す大騒動になりました。

結局、長男の相続割合を増やして手続きを進めることとなりましたが、このことが原因で兄弟は仲違いとなり、絶縁状態となったそうです。

しかも、いきなり大金を手にした長男は仕事をやめ、高級車を乗り回すようになったそうです。結果、夫婦仲が悪くなり、数年後に離婚となってしまいました。

もともと仲のよい兄弟だったそうです。

「子孫に美田を残さず」という言葉がありますが、「よけいな遺産がなければ、仲のよい兄弟のままだったかもしれない……」と考えると、残念でなりません。

Hさん夫妻も、十分な老後資金を準備して老後生活をスタートしました。

若い頃から爪に火をともすような生活を送り、5000万円ほどのお金を貯めました。

3人のお子さんに恵まれ、どなたも立派に独立されていました。

しかし、Hさん夫妻は「子どもや孫が遊びに来ない」とぼやくのです。

Hさん夫妻の娘さんと話す機会があったのですが、その理由を聞いて私も納得しました。

「実家に連れていったら、子どもが病気になる」

Hさん夫妻のお住まいは築50年の古家ですが、お金がもったいないので水回りのリフォームなどもしていないそうです。

古くなれば、どうしてもトイレなどは臭います。節約のために換気扇をあまり使用しないため、キッチンは油まみれ、お風呂はカビだらけ。キッチンのシンクもさびついて、衛生環境が不安なのだそう。

しかも「もったいない精神」からモノが捨てられず、家の中は古くて使わないモノがあふれているといいます。家電なども数十年前のものばかりで、泊まりに行っても不便が多いそうです。

娘さんは「モノが多いとホコリも出るし、あの家では子どもが病気になりそう。とても連れていけない」と言うのです。

現役の子育て世代と高齢者では、ライフスタイルや衛生観念に違いがあるのはわかります。

でも、「十分なお金があるのだから、リフォームくらいすればいいのに」というのが娘さんの言い分だそうです。

これには私も大賛成です。

これまで頑張って働いてきたのですから、多少お金はかかっても、清潔で暮らしやすい環境にアップデートしていただきたいと思います。

それでお子さんやお孫さんが遊びにきてくれるなら、そのほうが幸せなのではないでしょうか。

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