1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

吉野家の跡地に出現「おしゃれカレー店」の実態 新業態を直撃!味のクオリティは申し分なしも…

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 8時30分

これを見て、同じように店の客席上に網棚を設置し、映える動画を取りたい層を集客する飲食店もちらほら出てきている。

これに倣い「もう~とりこ」もこの網棚を設置している。ということは、SNSで拡散してくれる層、主に流行に敏感な若い女性、いわゆる「インスタ女子」を狙っているのだろうか。

さらに、同店のアピールポイントとして旅行客に向けてスーツケース置き場を用意していることがある。観光客の多い浅草という立地から、観光客、インバウンドもターゲットということか。

内装から見るターゲットと、メニューから見るターゲットがズレてる?

これを念頭に、次はメニューを見ていこう。

光が反射してやや見にくいので、プレスリリースの画像も添えておく。

同店は吉野家で牛丼に使用している牛肉と玉ねぎを活用したオリジナルルーが自慢だそう。ルーの種類は「ビーフカレー」や「スパイシービーフカレー」「バタービーフカレー」の3種類。

「オム玉ビーフカレー」「野菜ビーフカレー」といったバリエーションも豊富にある。

各メニューの価格は858~1408円ほど。トッピングやドリンクを付けたりごはんの量を増やしたりしなければ1000円以下で済ませることも可能だ。

価格帯からしても日常で使えそうなメニュー構成であり、特別写真映えするようなメニューもなく、見る限りそこまで観光客に向けている感じはなかった。

誰を狙った店なのか?疑問符が止まらない店づくり

実際に筆者が訪れた際、たまたまかもしれないが周りは地元民と思しき人ばかりだった。近所に住んでいると思われる人がふらりと入ってきた様子で、特に年配の男性が多い。写真を撮っている人はいないし、大荷物を抱えた観光客もいなかった。

恐らく、この「もう~とりこ」の業態開発の出発点は「吉野家のリソースを活用できる新業態をつくる」だ。そこで牛丼の牛肉と玉ねぎを使ったカレー業態となった。

同じ「とりこ」を冠する「牛かるび丼・スンドゥブ専門店 かるびのとりこ」も、ほぼ同時にオープンした吉野家のからあげ新業態「から揚げ専門店 でいから」も、同様に吉野家の既存リソースの活用を掲げて開発した業態だという。

自社の強みを生かして新規ビジネスを生み出すのはよいが、今回の「もう~とりこ」に関しては「リソース活用」の自己都合が強く、コンセプトやターゲットがブレているように感じた。

端的に言うと、誰に来てほしいのか、よくわからない業態になってしまっているのだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください