閉ざされた中朝国境が2月についにオープンか 「北朝鮮を引き寄せたい」中国側の思惑とは
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 10時0分
しかし、羅先に隣接する中国吉林省の複数の国際旅行社(第1種旅行業の旅行業者に相当)へ確認すると、
「2025年2月から中国人の羅先入国は緩和されるが、観光目的での入国はできない。羅先国際旅行社(日本人を含む外国人観光客を担当する会社)からは、『2月からこれまで平壌がすべて行っていた入出国の判断が羅先特別市へ移管され、今後は羅先が判断することになる』との連絡があった」
という。
これは、平壌を通さずに羅先が独自に入出国許可を出すとの意味だが、全権移譲とはどういうことなのか。
北朝鮮は、外国人の入国を中央政府が強力にコントロールすることで体制を維持している。入国判断の決定権は、体制維持の肝と言っても過言ではない。それをすべてを移譲するのは考えづらいが、緩和や部分的な移譲ならありうるだろう。
とはいえ、「2月から羅先観光が再開される」という話は、実は中国の旅行業界からはさっぱり聞こえてこない。
「羅先観光が再開される」と発信したヤングパイオニアツアーズも高麗ツアーズも中国では無資格の旅行サービス会社だ。それゆえ中朝合意に至っていない、あるいは基づいていないところから北朝鮮側の発言なりを一方通行で流すことがこれまでにもあった。
羅先は中国とロシア、とりわけ中国から強い影響を受けている。事実上、中国の借款状態となっている施設も少なくない。そのため、平壌よりも先に観光入国を再開させることは考えられると触れたが、その場合でも「中国人が先になると思う」と吉林省の旅行業者は話す。
今の中国の社会風潮からすれば、「外国人が優先」などと少しでも国民から思われると、不満を鬱積させている国民の怒りが中国政府へ向きかねない。中国当局は情報の出し方にも神経を尖らせているのだ。
3月からの往来完全正常化の話も
一方で、観光を含めた往来正常化の情報も流れてきた。
「北朝鮮観光の再開、往来正常化への道筋が見えてきた!」。瀋陽のある旅行業者は、今度こそ中朝国境が開放され往来が正常化する可能性が高まってきたと期待感を示す。
2024年12月下旬、2025年3月1日から北朝鮮観光が再開されるとの通知画像が、中国SNSへ投稿されて拡散した。
この通知は、訪朝する日本人も担当する北朝鮮の朝鮮国際旅行社が2024年10月16日付けで出したものとされた。しかし、複数の旅行業者へ確認しても知らず、そのため信憑性は低く、フェイク画像の可能性もある。
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