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テスラが運行、電池式列車「ギガトレイン」の正体 ベルリン工場の専用線に導入、従業員を輸送

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 6時30分

ギガトレインには、旧東ベルリン地区東部の終着駅エルクナーから乗り込むことになる。ここはベルリン全域で有効の一日乗車券エリアの東端で、かつての東ドイツ時代のやや殺伐とした雰囲気も残るが、駅前には大型スーパーなども設けられており、今やベッドタウンのターミナル駅として機能している。

筆者の目を引いたのは、駅の一角に保存してある東ベルリンで使われていた通勤車両の先頭部だった。最新鋭のバッテリートレインと冷戦時代の遺物が同じ駅で見られるというのはなかなかユニークだ。

テスラ工場へのギガトレインの運行頻度はおよそ40分間隔だ。筆者の実見では、車両は1セットしかなく、これがエルクナーとテスラ工場の専用駅「テスラ南(Tesla Sued)」間を行き来している。工場側に1駅しかないのに、テスラ「南」なのは駅の位置が工場敷地の南端にあるためで、今のところ北駅や東駅などは存在しない。

エルクナーで近郊電車からギガトレインに乗り換え、いよいよテスラ工場への短い旅が始まる。筆者が乗車したのは夕刻だったため、従業員らしい人の姿は見られなかった。3交替制での生産と聞いていたので、多くの従業員が乗車してくるのかと期待したが乗客はわずか数人と、肩透かしを食らった格好となった。

【写真】ギガトレインの時刻表。3交代制の工場従業員に合わせて朝5時台から夜0時台まで走っており、所要時間は約10分

列車はしばらく、ベルリンとポーランドをつなぐ国際長距離列車も走る高規格路線をひた走る。この区間は電化されているため、パンタグラフを上げた「電車モード」での走行となる。

やがて列車は本線から分岐し、テスラの専用線へと入線する。ここからはバッテリーの電力による走行だ。筆者はバッテリーモードでの走りっぷりを期待したのだが、分岐地点からテスラ南駅までの約4.8kmは車両の回転半径ギリギリのカーブが続いており、スピードはゆっくり自転車で走るくらいの超低速となる。

一般人は外に出られない「テスラ南駅」

列車が遅い分、周りの様子はよく観察できる。TESLAと大きく掲げられた工場の真横を走るので近未来的な建物がつぶさに見られるほか、組み立てが終わった新車が搬出されるトレーラーの動きなどもよくわかる。おそらく同社が秘密としたい何かについては秘匿され、列車内からは見ることができないだろうが、それでも世界最新鋭のEV工場の外見が見られるだけでも大いにワクワクした。

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