ホンダ「N-VAN e:」変わらぬ美点とBEV化の恩恵 意見がわかれる電気自動車に新たな価値を創造
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 13時0分
ポストコロナ期やEV(電気自動車)の普及、さらに年末には本田技研工業と日産自動車の経営統合検討など、歴史的な変化が起きた2024年。今年の顔となる1台として、日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025にはホンダ「フリード」が選ばれた。そんな2024年に純粋に乗って楽しかったクルマ、さらに2025年に注目すべきクルマを「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちに独断と偏見で選んでもらった。
2024年も多くのメーカーからさまざまな新型車が登場したが、筆者が最も気になったのが、ホンダがリリースした「N-VAN e:」である。
【写真を見る】ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」の内外装や装備などを確認する(74枚)
BEV(電気自動車)についてはいまだにさまざまな意見が存在しており、中にはBEVに否定的な意見を持っている人もいることだろう。このあたりはそれぞれの主観に基づくものであるから、異なる意見があってしかるべきだ。
筆者もどちらかといえば内燃機関を楽しいと感じている側であり、ガレージの中には70年代にデビューした古い国産車が眠っている状況だ。ただ、その一方で電動車にも興味があり、4年ほど2代目の日産「リーフ」を乗っていた経験もあるので、どちらの良し悪しもある程度経験しているつもりだ。
【写真を見る】ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」の内外装や装備などを確認する(74枚)
N-VANの美点はそのままBEVに
そんな筆者が気になったN-VAN e:は、もともと存在していた「N-VAN」の美点はそのままに、BEVならではの付加価値を与えている点が非常に興味深いと感じている。
車名からもわかるように、もともとは商用バンとして使われることを想定して誕生したN-VANは、軽乗用車である「N-BOX」のプラットフォームを使用しながらも、助手席側のBピラーをフロントドアに内蔵することでスライドドアと合わせて圧倒的な大開口部を実現。そしてセンタータンクレイアウトによってフラットフロアを実現し、後部座席や助手席をダイブダウンさせることで、荷室からほぼフラットなスペースを作り上げることができる。
これはセミキャブオーバータイプの商用バンを持たないホンダが編み出した策であり、ビジネスユーザーだけでなく、趣味の相棒としてN-VANを使いたいと思わせるには十分なものとなっていた。
また運転姿勢やシートもN-BOX譲りのものとなったことで、セミキャブオーバータイプの商用バンにありがちな窮屈な運転姿勢を強いられることがないというのも、ビジネスユーザーにも一般ユーザーにも嬉しいところだろう。
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