静岡大に現役合格も"3浪で藝大"目指す彼の努力 浪人決意で気づいた「本当に自分が好きなこと」
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 7時30分
しかし、藝大受験は勝負の2次試験で惜しくも不合格になってしまいました。
「デッサンがB評価だったのですが、2次試験の色彩がD評価で、立体がC評価でした。評価がADCとか、BCCだったらギリギリ受かっていたんじゃないかと思います。親としては、金沢のほうで合格をいただいたから、そこに進学するだろうとほっとしていたと思いますが、私は藝大への未練が残ってしまったんです。
親に藝大に行くために3浪したいということを伝えたら、怒っているというより、もう、叫んでいました。受かるかわからない藝大受験のために3浪するなんて、なぜだと。心配で祖父は泣いていたそうです。
学費は自分で稼ぐということで受験を認めてもらったのですが、そこまで家族に迷惑をかけてまで藝大受験をするのは本当に申し訳なかったです。それでも、どうしても諦めきれませんでした」
3浪目、背水の陣で挑んだ家原さんは、すいどーばた美術学院の奨学金制度に応募。前年度の実績や家庭の経済状況が考慮され、学費が75%オフになりました。
2020年に入ってコロナ禍に突入するタイミングであったこともあり、4~5月は昼にオンラインで授業を受講して制作活動をしながら、深夜には学費を稼ぐために警備員のバイトをしていました。
「4~5月の1日の睡眠時間は4時間でした。予備校に通えるようになってからのほうが制作の密度や充実度も高いと思っていたので、オンライン授業のうちにできるだけお金を稼ごうと思っていました」
この2カ月で40万円のお金を貯めた家原さんは、6月になって予備校に通えるようになってからも週3~4回、スーパーでレジ打ちのアルバイトを1日3時間続けました。
1浪目のときはつらさから予備校を休むこともあった家原さんは、自力で学費を払うようになり、当時の自分の取り組みを『なんて甘かったんだろう』と反省したそうです。
3浪目で浪人生活の取り組み方が変わる
苦労して学費を稼ぎながら授業を頑張ったかいもあり、この年はデッサン、色彩構成、立体構成で作品がすべて上段に置かれることが多くなりました。
また、浪人生活の取り組み方も前年までとは変わったようです。
「この年は、前半の時期を『発散』、後半を『収束』の時期に充てることにしました。今まではひたすら目の前のことに取り組んでいたのですが、浪人生の1年を俯瞰して考えました。
前半は石膏などの苦手分野や、描いたことのない分野を描く練習をして、自分ができることを増やしました。そして、前半期間の練習で学んだことを、後半の半年でまとめることにしたのです。
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