1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

静岡大に現役合格も"3浪で藝大"目指す彼の努力 浪人決意で気づいた「本当に自分が好きなこと」

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 7時30分

思えば、教育学部に入れればいいと思って、大学での勉強内容について大したリサーチをしないまま選択してしまったので、当然のミスマッチでした。進路選択が浅はかだったんです」

「このままだと自分の人生は楽しくならない」と危機感が生まれた家原さんは、ここで初めて、自分の好きなことや興味のあることを学べる大学を選ばないといけないと、痛切に感じたそうです。

そこで家原さんは改めて自分が興味のあることが何かを考え、18歳に至るまでずっと自分が続けてきて好きなことは「絵を描くこと」しかなかったと思い当たります。

「やっぱり自分は美術が好きだったし、それを人に見せてほめられることも好きだったので美大に行きたいと思い始めたのです。高校でも、小学校から続けていた模写をしたり、自分で構図を考えてオリジナルの絵をずっと描いたりしていましたし、ほかにやりたいことはないなと。

6月には浪人を決断したのですが、8月まではとりあえず静岡大学に通って、後期から休学して東京に引っ越し、御茶の水美術学院の夏期講習から参加しました」

初心者の状態で美大受験の世界に

しかし、まったくの初心者の状態で美大受験の世界に飛び込んだ彼は、初めて美大予備校に行ったときに世界の違いを見せつけられたそうです。

「御茶の水美術学院に初めて行ったときの衝撃は、今でも忘れられません。周りが信じられないくらい絵が上手だったんです。同じ人間がどうしてこのような絵を描けるんだろうと。

小・中・高のクラスではつねに絵がうまい人というポジションだったのですが、ここでは圧倒的に自分がいちばん下で、アイデンティティや自尊心が砕かれた瞬間でした」

家原さんは「東大を目指す人々のコースに偏差値が50もない人がいきなり入ってきた感じ」と当時の衝撃を振り返ります。

夏期講習から通いはじめた予備校では、作品を作っては講評されることの繰り返しで、上手な作品の順に「上段」、「中段」、「下段」と3段階の評価がある中で、家原さんの最初の半年はほとんど下段止まりでした。

家原さんが目指した、東京藝大のデザイン科(2024年度)の入試は、以下の通りです。

1次試験:鉛筆写生(石膏像デッサンか、構成デッサン)

2次試験:デザインI 色彩(色を使ってモチーフを構成し絵を描く)デザインII 形体(ケント紙などを使用した立体の形成)

学科(大学入学共通テスト):3教科 国語・外国語・選択科目(地理歴史・公民・理科・数学から1教科)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください