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全国初「神戸市タワマン空室税」検討で揺れる正論 「廃墟化する」vs「家賃の値下げバトルに」で論争

東洋経済オンライン / 2025年1月27日 10時0分

そこで、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成27年に施行、令和5年改正法施行)により、空き家の放置物件を減らすための施策が実施された。そのひとつとして空き家に高い税額を課すという対策が行われた。一定の条件に当てはまる空き家は、「特定空き家」として区分され、減税措置は適用されないこととなった。

熱海市は別荘税を導入済み

熱海市は日本で唯一、別荘等所有税(別荘税)を導入している(→熱海市長が目論む「入湯税と宿泊税」の二重取り)。熱海市は住民登録をしていない別荘所有者には固定資産税に加え、別荘税を課している。税率は延べ床面積1平方メートルにつき年額650円だ。

京都市では、非居住住宅の所有者を対象とした「非居住住宅利活用促進税」を導入することとが決まり、課税開始は令和11年度を予定している。その理由として、「京都市に居住を希望する人への住宅の供給を妨げるとともに、防災上、防犯上又は生活環境上多くの問題を生じさせ、地域コミュニティの活力を低下させる原因」を挙げている。

京都市は、市街化区域内で利用されていない空き家や別荘などについて、居住実態がないことを条件として家屋の固定資産税評価額の0.7%(家屋価値割)と、土地平方メートルあたりの固定資産税評価額×家屋の床面積×税率(0.15~0.6%)(立地床面積割)を課税する。税額については、固定資産税額(土地+家屋)の半額程度になる場合が多い(京都市HP)としている。

これらの法定外税の導入にあたっては、当然、自治体での議会での承認が必要であるが、総務大臣の同意も必要である。不同意要件は「国税又は課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重となること」等である。

課税標準が同じでも、過重な税負担が強いられる場合(担税能力を超える負担)のみ不同意とする趣旨である。

熱海市と京都市の場合はどうであろうか。

熱海市の別荘税の場合、不動産所有者は固定資産税の納税義務があるから、納税義務者が同じである別荘税は二重課税ではないか?との指摘がある。

負担は著しく過重ではない?

指摘に対する熱海市の見解は、熱海市のホームページにに掲載されている「別荘等所有Q&A質問 6」に対して、以下のように回答している。

固定資産税は家屋の価格(評価額)、別荘等所有税は延べ床面積をそれぞれ課税標準として課税されており、課税標準が異なっていますので二重課税とはなりません。

課税標準とは、「税金を計算する際の算定基準」のことだ。 課税標準が異なるということに加えて、税額については50平方メートルだと650円×50で年間3万2500円なので、負担が著しく過重とは言えないとの判断もあったと思われる。ただし、資産価値でなく、物件の広さで課税額が決まるため、古い物件ほど割高感が強くなる。

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