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村上春樹も住んだ男子寮「和敬塾」の濃密な日常 令和でも健在「同じ釜の飯を食う」濃い人間関係

東洋経済オンライン / 2025年1月27日 8時30分

次に東寮。この寮は学生同士がすぐに集えるよう、廊下をラウンジとして活用している点が特徴で、人間関係が特に濃密とされる。

入り口付近の壁には東寮出身のOBの名刺がずらりと貼られていて、東寮の学生が就職活動をするときは、これらの先輩に直接連絡ができる。OBの名刺つき学生寮などなかなかないだろう。

同じ階の学生十数人が一緒に行動する「階活」

北寮については、実際に入寮している早稲田大政治経済学部1年の大野晃史さん(19)に話を聞いた。

愛媛県松山市出身である大野さんは東京で大学生活を送る場合は学生寮を考えていた。「高校で和敬塾のパンフレットを見て初めて存在を知りました。寮の中は緑が多く住むには魅力的だし、ご飯も毎日ついてくる。早稲田なので大学からも近く、ここなら安心だと感じた」と話す。

北寮は特に希望したわけでなく自動的に割り振られただけだったが、「今はとても気に入っている」という。最初は新入寮生の各部屋へのあいさつ回りなど戸惑ったが、いろいろな個性の人がいて面白いと感じるようになった。「和敬塾の中では比較的オーソドックスな寮だと思いますが、人間との距離が近いのが魅力です」。

印象に残っているのが9月中旬頃から開かれた体育祭だ。伝統的に続く寮対抗戦で、どの寮も本気で来る。「サッカー、バスケ、騎馬戦、eスポーツなど幅広い種目があり、秩父に合宿まで行きましたし、濃い人間関係ができました」(大野さん)。

寮では同じ階の学生十数人が一緒に行動する「階活(かいかつ)」というものもある。1カ月に1回は階活で何かをやるという決まりがあり、新入生も責任を持って企画を立てる。大野さんも夏に東京タワーに行く企画を立てた。本当は東京タワーを階段だけで上ろうと思っていたが、熱中症対策のために階段が閉鎖されていたため、普通にエレベーターで上に上がった。「寮の先輩や友人は大学の友人たちとはまったく違いますね。これからはほかの寮の学生とももっと交流したいです」と大野さんは言う。

学生同士の距離感の近さ

新南寮で暮らすのは、早稲田大学先進理工学部3年の松岡啓太さん(21)。横浜市出身の松岡さんは本来なら自宅から大学に通えるが、和敬塾出身である父に強く入寮を勧められたという。

松岡さんも一人暮らしに興味を持っていたことから、父の「和敬塾は人間関係が勉強になる」という話を受け入れ、入寮を決めた。父が南寮だったことから、南寮の後継である新南寮を選んだ。

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