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「3億円当選」宝くじ売り場に並ぶ人が知らない真実 「数」だけを見て、「割合」を考えない危うさとは

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 16時0分

割合は一緒で「1%」ですが、片方は1回・片方が10回当たっているわけです。「当たっている宝くじ売り場」は、当たりの確率が大きいのではなく、「その宝くじ売り場で宝くじを買っている人が多い」というだけなのです。

さて、この話を聞いて「騙されないようにしよう!」と考えるのは大事なことかもしれませんが、もう一個重要なポイントがあります。それは、「じゃあこの宝くじ売り場は、なんでそんなに利用者が多いんだろう?」と考えることです。

もしかしたら、そういう「この宝くじ売り場は当たる!」という広告に釣られてやってくる人が多いのかもしれません。ですがそれと同時に、確実にその宝くじ売り場は、立地が良く、多くの人が利用する場所だと考えられます。

「当たる宝くじ売り場があるってことは、この場所って、利用者が多いんだな。ここでビジネスを始めたら、多くの人が利用してくれるかもしれない」なんて考えることができると、新たなビジネスチャンスにつながるかもしれません。例えばその地域にラーメン屋を出店したら人が集まるかもなどいろんなことを考えるきっかけになります。

ネットに振り回されないため知るべき現実

割合という視点から考える思考は、他にもさまざまな場で役に立っています。もっと身近な例で、SNSについて考えてみましょう。

あなたはある投稿に1万いいねがついているのを見かけたとします。一見、その投稿をとても多くの人が面白がったり賞賛したりしている印象を受けます。しかしインプレッション(その投稿がタイムラインや検索結果などに表示された回数)が、もし1000万だったとしたら、はたして同じように感じるでしょうか。

1000万回表示されたという数に対して、いいねをした人の数はその0.1パーセントにすぎないのです。もちろんインプレッションは必ずしも投稿を見たユーザーの数を示すわけではありませんが、いいねをした人よりはるかに多くの人が、その投稿を無視したことがわかるはずです。

SNSの投稿の価値は、いいねの数ではなくインプレッションとの割合で推し量るという考え方もあるわけです。情報化社会の現代だからこそ、ネットリテラシーを身につける上で重要な観点ですよね。

仮にみなさんが、レストランを経営しているとします。順調にお客さんが入っていたのですが、3カ月前からお客さんの数が減ってしまいました。さて、みなさんはどんな風に考えるでしょうか?「なんでだろう? うちの店が人気じゃなくなったのかな」「飽きられてしまったんじゃないかな」と考えるのが普通だと思うのですが、合理的に考えると、もっと別の考え方をした方が結果的にうまくいく場合があります。

みんなにとってプラスになる「マクロな視点」

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