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ごみ処理を支える「影の技術者」知られざる実態 清掃工場でも深刻な「設備管理職」のなり手不足

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 9時30分

清掃工場の技術系の組織には運転係、技術係、整備係が設置され、設備管理職はそれらの係のいずれかに配属される。

訪問した墨田清掃工場では、焼却施設の工事や補修工作・定期点検が主な業務である整備係に6名の設備管理職が配置され、安定稼働に向けて現場で尽力していた。

知られざる設備管理職の実態に迫ろうと、墨田清掃工場で整備係技能長の佐藤建男氏より詳細をお伺いした。

設備管理職員の働く作業環境は、労働者が敬遠する3K(きつい、汚い、危険)で、40〜50℃ぐらいの場所、ほこりが舞う場所、高所や狭所での作業もある。また、運搬されてきたごみをためる「ごみバンカ」でのごみクレーンの点検保守は、臭いのきつい場所での作業となる。

これらの作業では、高速切断機といった扱いに危険を伴う器具を使用する場合やガス溶断を行う場合もある。また、機械の保全で潤滑剤(グリス)を使用すれば作業着は油で汚れる。

焼却プラントでの点検業務を見学

このように過酷な作業環境を体験するため、筆者も焼却プラントでの点検業務を見学させていただいた。プラントの中に入ると、その熱気に驚いた。動くとすぐに汗がにじみ出て、シャツに染み込んでいった。

佐藤さんによると、点検では自分の視覚、聴覚、嗅覚、触覚を生かし、機器の不具合を早期に見つけて補修作業をするという。慣れてくると通常時と故障時の機械の音がわかってくるようになると説明を受けたが、慣れるまでかなりの自己努力が必要であることは容易に想像がついた。

プラントの中には無数の機械がつながって稼働しており、個々の役割について筆者の理解は追いつかなかった。しかし、設備管理職員はその中の構造も含めて設備を把握しており、不具合が起こればすぐに修理ができる。かなりの経験や知識を蓄積しなければ務まらない仕事であると痛感した。

工場内には多くの配管が走っている。大きさはさまざまだが、機械の振動でボルトナットが緩むため、配管のつなぎ目から蒸気が漏れ出る場合がある。

そのときはモンキーレンチなどの工具を当てて曇りや湿りで蒸気の漏れを把握。噴出口や向きを調べ、安全を確保したうえでボルトを締めて流出を止める。

その後、地下1階の薬品が貯蔵してある場所も見学した。中には汚水処理や汚水のpH調整で使用するために塩酸が貯蔵されていた。塩酸も配管のつなぎ目から漏れる恐れがある。

万が一、漏れ出た場合はすぐに技術職に報告したうえで安全作業について確認後、掃除をして締め直したり、場合によっては配管の間にあるパッキンを交換したりする。また、ポンプも故障する場合があるので、取り外して部品を交換したりする。

点検業務が重要になる理由

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