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ごみ処理を支える「影の技術者」知られざる実態 清掃工場でも深刻な「設備管理職」のなり手不足

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 9時30分

清掃工場の安定稼働に向けた点検は年に2回行われる。「中間点検」と、2カ月ほどかけて焼却炉を停止して点検や部品の交換、内部の清掃などを行う「定期点検」である。

それ以外の日々については、整備係が先述の過酷な作業環境の中で毎日補修作業のほか定期的な点検を行っている。

点検は地道な作業となるが、実は重要な意味がある。それは、未然に危機を察知し、危機対応の予見を可能にする点である。故障する機器の保守や対応が後手後手に回らないよう、「先手を打つ」ことに大きな意味があるのだ。

そうすることで焼却炉の安定的な稼働に大きく貢献し、ひいては日々のごみ収集サービスが当たり前のように提供されることにもつながる。

設備管理職員の方々はまさに「縁の下の力持ち」であり、日々焼却炉が安定的に稼働するように尽力している。住民からは見えない場所で、志を高く持ち、踏ん張って仕事をするのが彼らの誇りとなっている。

設備管理職の方々へのリスペクト

現在、設備管理職のなり手不足により、今後の技術継承に危険信号が灯りつつある。本稿により少しでも設備管理職に興味を抱き、次世代の担い手が増えていってほしい。

一方で、機器の経年劣化や不具合のみならず、私たちのルール破りのごみ排出が清掃工場の焼却プラントを停止に追い込むこともある。大型ごみや不燃ごみといった不適正ごみが清掃工場に搬入され、機器類の不具合や故障が発生し、焼却炉が停止することも起こっている。

ごみを排出する際には、清掃工場の焼却炉の安定稼働に尽力している方々を思い起こしてほしい。彼らの足を引っ張るようなごみの排出にならぬよう、自治体が定めたルールに基づいた排出を心掛けていく必要がある。それが彼らへのリスペクトとなる。

【写真】プロフェッショナルな知識と技が光る設備管理職に密着取材した(10枚)

藤井 誠一郎:立教大学コミュニティ福祉学部准教授

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