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急勾配区間多い「都電荒川線」意外に大きな高低差 駅ごとにどのくらいの差があるのか調べてみた

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 6時30分

東京さくらトラム(都電荒川線)、大塚駅前の急勾配区間(筆者撮影)

東京の地形は西高東低

東京は意外に坂が多い。柿の木坂、四谷坂町、神楽坂など地名にも坂が付くほどで、駅名でも乃木坂や赤坂、中野坂上など、坂が付いた駅名も見られる。

【写真を見る】東京の都心なのに高低差がすごい。東京さくらトラム(都電荒川線)はどんなところを走っているのか?

東京の地形は、西側が武蔵野台地の高台で、東側が低地となっている。高台部分は富士山や箱根山、浅間山などの噴火による火山灰で覆われた関東ローム層で、低地との境は、階段状の地形となっている。武蔵野台地の範囲は、北側が北区の赤羽で、京浜東北線に沿う形で南下し、大田区の東海道新幹線・多摩川橋梁付近とされており、多摩川以西は多摩丘陵と関東山地の高台となる。東京23区はもともと低地部分が少なく、東京湾に向かって埋め立て、平坦地を増やしていった。

そのような地形のため、東から西に向かうと必ず坂道を登ることとなるほか、台地部分は山から流れてきた川により浸食した部分も多く、低地と高台が複雑に絡み合っている。渋谷はその典型で、渋谷川により低地となったため、青山の高台の地下を走ってきた地下鉄銀座線が、渋谷に到達すると山手線よりも高い位置となっている。もちろん、仮に渋谷を過ぎて西に進めば、目黒区の高台の地下を走ることとなる。

江戸時代になると、道路の整備が進められたが、地形に逆らわずに敷設されたため、多くの坂が誕生した。

かつての東京中心部には、都電が網の目のように走っていたが、道路上の併用軌道のため、多くの急坂を行き来していた。地下鉄銀座線の終点・渋谷駅は、以前は東急百貨店・東横店の3階部分に設置されていたように、青山から渋谷へはかなりの下り坂で、国道246号線の宮益坂上交差点から渋谷駅前までの金王坂約200mは66.5‰の下り勾配で、この区間を走る電車は、頂上部分でいったん停車し、前方を走る電車の位置やブレーキの圧力などを確認して下っていたと聞く。66.5パーミル、つまり1000m走ると66.5mの高低差が生じるという勾配は、かつての信越本線・横川―軽井沢間の碓氷峠の66.7パーミルに匹敵する。さぞや運転士も緊張の面持ちだっただろう。

現在唯一残る東京さくらトラム(都電荒川線)は、低地の三ノ輪橋―王子駅前間から武蔵野台地の高台に向かうため、王子駅前―飛鳥山間には66.7パーミルの急勾配があるうえ、坂の途中にカーブもある。しかし、運転手の技術は非常に巧みで、安全に急坂を登り下りしている。

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