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中国人富裕層、次は「日本の中古品店」狙いの真相 世帯収入3億円の妻「エルメスは日本でゲット」

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 7時30分

中国の紅布林(中国の高級ブランド販売EC)が発表した『2023年リユースファッション産業の動向報告書』によれば、中国のラグジュアリー中古品(「二贅」、アーシュア、セカンドハンドの贅沢品を意味する)の市場規模は、2016年の58.8億元から2020年の173億元まで成長。2025年は384億元(約8190億円)、2030年は1000億元(約2.1兆円)まで拡大する見込みで、2022年日本のリユース市場の全体規模に匹敵する。

また、『中国中古品高級品物オンライン売手(買取)市場発展研究報告2024』では、先進国では、「二贅」の取引規模は、ラグジュアリー品の消費市場全体の20〜30%であるの対し、中国は現在5%しか占めていないため、今後の発展が期待されるという。なぜ今ラグジュアリー中古品が急に人気を集めているのか。

理由の1つ目は、経済の発展である。中国はグローバルのラグジュアリー市場においても3割以上を占めていると言われており、中古品市場のサプライヤーとなっている。

また、経済発展の速度は緩やかになっているものの、国民消費能力は増え続けている。すなわち、数万円以上のバッグや数十万円の時計を買える人の数は増えているのだ。

中国人のリユースに対する意識も変化

2つ目は、消費意識の変化。日本のメルカリの好調が日本のリユース市場を象徴しているのと同様に、中国では、メルカリの類似サービスであるアリババ傘下「咸魚」が近年大変な人気となっている。

世界中で話題となった断捨離のコンセプトは、特に20代、30代の女性に響く。最初は日用品、子どものいらなくなったものや、キャンプグッズなどを売ったり、買ったりするのに使われていたが、いつの間にか、ラグジュアリー中古品も売買されるようになった。

中国国内のSDGs意識の浸透や、中国政府のリユース経済を促進するためのルール作りも奏功し、「いいものなのにこんなに安く買えるのか?」「日本の中古品は1990年代からはやっていて、ビンテージはファッションなんだ」「好きでなくなったら、半額でも売れそうなので、値が付かない中途半端なブランドより、いいブランドの中古品を買ったほうが実際お得?」「今本物鑑定もしやすくなったので、信頼できるお店で買えば大丈夫そう」と購入するハードルが下がってきた。

3つ目は、タイミングでもある。中国ではラグジュアリーブランド製品の価格設定が非常に高いため、ブランド品は海外で買うという人が多い。円安の日本はまさに理想の場所で、つねにブランド店の前に行列ができているのはそのためだ。

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