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中国人富裕層、次は「日本の中古品店」狙いの真相 世帯収入3億円の妻「エルメスは日本でゲット」

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 7時30分

ただコロナ禍、海外には行けない一方で国内の新品も高すぎるため、自然と値頃感のある中古品に目を向けるようになった経緯がある。

こうした理由から、中国国内のラグジュアリー中古品市場に成長の余地があるとみた中国国内の企業家が、ライブ配信やSNS配信などを中心とした中古品販売のビジネスモデルを展開し、市場も拡大していった。

日本でラグジュアリー中古品が人気のワケ

日本の中古品店が人気になっていることに話を戻すと、日本でラグジュアリー中古品を求める理由として、①日本の中古品市場のほうが成熟しているので、品揃えが豊富、②偽物の心配が低いため安心して買える、③日本のビンテージのセンスがよいため、特別なデザイン、他人と異なる品物を見つけられるーーなどが挙げられる。

実は現在、こうした傾向に目をつけ、中古品店も対応を急いでいる。中国語での接客や支払い方法対応はもちろん、中古品検定資格を持つ中国人を雇ったり、中国人が投資または経営する中古品店も増えてきている。

一方で日本の中古品企業も中国進出をしている。新しいビジネスで、これからも注目されると思われるが、ここで考えないといけないのは、「なぜ中国人は今中古品を求めていて、日本からの中古品に何を求めているか」ということだ。

何人もの中古品店に話を聞いたが、「品揃えが豊富で安心できるのではないか」「よくわからないけど、最近急増しているのでずっと続けてほしい」「新品が高すぎてこちらに来たのではないか」という反応だった。

それはもちろん一理あるが、本当に深掘りしなければならないのは、その「ライフスタイルへの憧れ」というストーリーだと思う。

中国国内のプラットフォーム、または中古品販売を行うSNSのアカウントでは、「本物と偽物の判別方法」「エルメスバッグ講座」「3万円以下のラグジュアリー中古品リスト」のようなナレッジシェア的なコンテンツだけではなく、「カジュアルなあなたにピッタリのバッグの選び方」「元カレからもらったロレックスは偽物?!」「年商50億のお姉さんは何を売って何が買いたいか」といった興味深いコンテンツが揃う。

実用的かつ、時にゴシップのネタを入れたり、超ハイパー層の暮らしや買い物の「のぞき見」をできるようにすることで、ユーザーの猟奇心理をあおり、「ブランド品=成功する人の象徴←中古品だったら私も買える=私も成功する人になる」という暗示を巧妙に仕掛けているのだ。

「日本のビンテージ店にはコンセプトがあって最高」

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