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「保育園落ちて育休延長」審査厳格化がはらむ矛盾 提出書類は増え、自治体の負担も結局減らない

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 8時0分

育児休業延長制度について、2025年4月から認定手続きを厳格化することが国から発表されています(写真:metamorworks/PIXTA)

保育園の入園選考の結果が、保護者のもとに届き始めています。

【画像4枚】厚生労働省が発表したリリース。改正のポイント、必要な書類、延長の要件をチェック!

保育園に「落ちた」場合に、子が2歳になるまで認められる育児休業延長制度*。待機児童が急増した時代の対策として2005年に始まり(当初は1歳半まで)、これまで多くの「保育難民」がこの制度によって救済されてきました。

ところが、この育児休業延長制度について、2025年4月から認定手続きを厳格化することが国から発表されています。「厳格化」によって手続きはどう変わるのか、そもそもなぜ変更されるのかを解説します。

*規定には「2歳になる(誕生日の)前日まで」と記されていますが、ここでは略記する。

「厳格化」の具体的な内容

4月からの厳格化よる変更点は、ざっくり言うと、自治体に提出された入園申請の内容をハローワークが改めて審査して、育休延長認定の可否を判断する点です。

つまり、申請者(保護者)側としては「提出書類が増える」ことになります。

厚生労働省雇用保険課からは次のような手続きが示されています。

まず、保護者が勤務先を通して、自治体が発行する「①保留通知(不承諾通知、待機通知など呼称は自治体による)」をハローワークに提出しなければならないことはこれまでと変わりません。

加えて、「②育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」、「③市区町村に入園申し込みを行ったときの申込書の写し」の提出が求められています。

②では、

  • 入園申し込みの時期等の情報や辞退の有無
  • 申し込みにあたり入園保留を積極的に希望する旨の意思表示をしなかったか
  • 希望した施設のうち最も近い施設の名称や通園時間、通園時間が30分以上の場合には希望した理由

を書くように求めています。

ハローワークは、これらの情報をチェックし、入園申し込みの内容や経緯が「速やかな職場復帰」を目指すものとなっているかどうかを確認します。ざっくりまとめると、認定不可のケースとして、次のような場合が挙げられています。

・入園申し込みがあらかじめ適切な時期に行われ、1歳(1歳半)になる翌日の時点で保育が利用できないことが明確でなければ認めない(入園申し込みの時期、保留通知の発行日)

・入園申し込み時に保留通知を希望するような意思表示を行っていた場合は認めない

・入園の内定を辞退したことがある場合は認めない

・理由なく遠くの施設のみを希望している場合は認めない

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