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4655mの峠越え「タジキスタンの温泉」入ってきた 美しい風景が続くも過酷な道のりに四苦八苦

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 11時0分

車は500万年前に巨大な隕石が衝突してできたというカラコル湖に到着した。標高3900mで農地もなければ家畜すらほとんどいない湖畔には結構な数の家が建ち並んでいる。

風景は美しいが、ツーリストの多くは夏季で、その人数も多くはない。観光だけでは集落の維持は難しいだろう。パミール高原は、この湖畔にかぎらず、ロシアなどへの出稼ぎで生計をたてている家庭が少なくないそうだ。

キルギスのオシュから国境を越え、タジキスタン東部の町ムルガブまで8時間で到着した。標高は3600m。ダイアモックスを飲んでいるので頭痛はおさえられているが不調さは隠せない。

人口2000人のうち、半数はキルギス人が占めるというこの町では、ネットも通じず、宿も昔ながらのいきなり訪問して空いているか確認するというスタイル。決済は現金のみ。キャッシュレス全盛の世の中だけに新鮮である。

パミールハイウェイの終点ホログに到着

ムルガブからパミール高原の終点ホログまでは310km。前日に乗った車がホログへ戻るというので1台100ドルで便乗させてもらえることになった。

道路は舗装されている割合が高いのだが、車重の重いトレーラーが多いにもかかわらず、メンテナンスが不十分なので、路面の状態が悪く、310kmに8時間かかった。

ホログに近づいてくると標高が下がる一方で緑が濃くなり人口も増えてくる。乾燥した土地だが、雪解け水が豊富なのだ。山と谷の標高差も大きくなる。

8時間かけて、ようやくパミールハイウェイの終点、ホログに到着した。ゴルノ・バダフシャン自治州の州都で人口は2万8000人を数える。標高約2000mで酸素が十分にあるのがありがたい。妻の体調もすぐに回復した。

ホログに連泊する中日に、ホログから南に40kmほどのところにあるガラム・チャシュマ温泉をめざす。ここは川の対岸にアフガニスタンを見るワハン回廊とよばれる秘境で、温泉に行く車がまず見つからない。

ホログの街中で車を探していると、偶然この温泉に行くというタジク人の男性2人と遭遇。相乗りすることにする。現地の事情に通じており言葉の壁もない彼らも車をつかまえるのに苦労している。

1時間ほど待った末、ようやく1台のタクシーを確保して温泉へ。車は対岸のアフガニスタンを横目に未舗装道を疾走していく。ガードレールなどはもちろんない。

やっと念願の温泉へ

やがて川から内陸に入ったタクシーは1時間ほどでガラム・チャシュマ温泉に到着した。近くにはホテルや飲食店が数軒ずつある小さな温泉街という趣きだが、人の姿は多い。いったいどうやってここにたどりついたのだろうか。

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