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「家電のない」ソニーは今、どんな会社なのか エンタメとEV進出がばかり注目されるが…

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 9時0分

ソニーグループのカンファレンスでは、スマホやテレビなどのいわゆる「家電」が紹介されることはなくなった(筆者撮影)

ソニーグループとはどんな企業なのか? いまだに「エレクトロニクスの会社」というイメージはぬぐい難い。しかし実情として、もう10年近く前から同社は「複数の軸を持つグループ企業」である。

【写真で見る】1月26日に正式オープンした「Ginza Sony Park」

今年1月のテクノロジーイベント「CES 2025」のプレスカンファレンスや1月26日にオープンした「Ginza Sony Park」の記者向け内覧会では“ソニーグループの今”が明確に示されていた。

それは、どういうことか? 関係者のコメントなどを交えながら解説してみよう。

「家電」のないソニーグループの発表

1月6日(現地時間)、ラスベガスで行われたテクノロジーイベント、CES 2025に合わせ、ソニーグループはプレスカンファレンスを開催した。

同社は例年、自社ブースでカンファレンスを行っている。ソニーが「ソニーグループ」になり、次第に発表されるものの性質が変わってきたのを強く感じた内容だった。

スマホやテレビなどのいわゆる「家電」をメインに紹介することは、ほぼなくなってきた。昨年まではPlayStation 5とその販売台数などをアピールするシーンがあったが、今年はそれもない。「メカ」的な意味でいえばソニー・ホンダモビリティが2026年に発売を予定しているバッテリーEV「AFEELA 1」の予約開始が公表されたくらいだろうか。

長く時間を割いたのは「コンテンツ」だ。『鬼滅の刃』をはじめとした日本のアニメに加え、ゲーム『ゴースト・オブ・ツシマ』のアニメ化、『ホライゾン ゼロ ドーン』『ヘルダイバー2』の映画化など、アニメと映画の話が多く語られた。

過去に映画の話が中心になることはあったが、今年は明確にアニメが軸である。日本側を代表する「アニプレックス」(ソニー・ミュージックエンタテインメント子会社)と、世界配信の窓口である「Crunchyroll」双方のトップが壇上に並び、現在制作中の作品やその影響などについて語った。

このようなことから、報道は2つのパターンに分かれた。AFEELA 1を中心に「自動車参入いよいよ本格化」という視点のものと、「ソニーグループはコンテンツ企業であることをアピールした」というものだ。どちらも間違ってはない。しかし、筆者はもう少し補足が必要と考える。特に後者だ。

訴求されたのはすべて「複数事業をまたぐビジネス」

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