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「家電のない」ソニーは今、どんな会社なのか エンタメとEV進出がばかり注目されるが…

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 9時0分

今回、ソニーグループがアピールしたものには1つの共通項がある。

それは「グループ内の複数の事業が関連している」ということだ。

前出のように、アニプレックスとアメリカのCrunchyrollの連携。さらにそこにゲーム事業も絡む。映画が話題になる時も、映画事業単体のものではなく「PlayStationから産まれた作品」であり、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのゲームスタジオ部門である「PlayStation Studios」原作のものだ。

過去にCESで映画やアニメがアピールされた際は「作品単体」であることが多かった。しかし、今回はあくまで「ソニーグループとしての連携」した作品としてアピールされている。

この方針はコンテンツだけにとどまらない。AFEELA 1にはCrunchyrollをはじめとした、さまざまなエンターテインメントコンテンツを楽しむ機能が搭載される。それは「AFEELA 1の中でエンターテインメントを楽しめる」という事実を示すだけではない。EVという製品とサービスの連携により、ソニーグループやほかの企業とつながるという要素が強化されていくことを示している。

エンタメを支える技術を売るのもソニー

ソニーグループは現在「Creative Entertainment Vision」というスローガンを掲げている。多くの人が楽しむエンターテインメントに対し、「作る人々を支えるテクノロジーを提供する」ということをビジネスの主軸にしているわけだ。エレクトロニクス事業的にいえば、クリエイターのために良いカメラを作って供給することであり、映画や音楽事業なら、クリエイターを支えるマネジメント態勢を作ることなどが含まれる。

例えば今年のCESでは、新XR事業の「XYN(ジン)」というプロジェクトが公開された。これはHMDなどを売る事業ではなく、HMDや3Dキャプチャ技術を使って「XRコンテンツの開発と低コスト化を支援する」プロジェクトだ。収益はサービスとハード両面で立てていく計画となっている。

CESのプレスカンファレンスでは、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のコミッショナーであるロジャー・グッデル氏が登壇。ソニーは2024年8月にNFLとテクノロジーパートナーシップを締結しており、カメラや判定技術「ホークアイ」の導入について連携を進めている。

CESの壇上で、ソニーが開発し、NFLでコーチングに導入されるヘッドホンが公開された。たかがヘッドホンと思えるが、実はNFL向けにゼロから開発されたもの。5Gが内蔵されていて音が聞きやすいだけでなく、「スポーツ飲料をかぶっても、強く叩きつけられても壊れない」という堅牢さを特徴としている。

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