フジテレビ「CM枯渇の懸念」に系列局で募る危機感 「10時間超え記者会見」の先も続く異常事態
東洋経済オンライン / 2025年1月29日 7時20分
午後4時から始まった記者会見は日をまたぎ、実に10時間半あまりに及んだ。
【表を見る】フジテレビ系列局も大変!売上高が減ったときの影響度を概算してみた
元タレントの中居正広氏が女性とトラブルになった問題で、フジテレビジョンは1月27日に会見を開いた。
冒頭、フジテレビの嘉納修治会長は、「人権に対する意識の不足から、十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心からお詫びを申し上げたい」と謝罪。日本弁護士連合会のガイドラインに準拠した第三者委員会を設置し、事実関係や事後対応などについて調査・検証を依頼したことを明らかにした。
そのうえで視聴者やスポンサー企業に多大な心配と迷惑をかけた責任を取って自身と港浩一社長が同日付けで辞任、親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治専務がフジテレビの社長を兼務すると発表した。
メディアの信頼性を揺るがした
フジテレビは1月17日にも会見を開いたが、テレビカメラを入れないなど制限を設けて行った。
27日の会見で港社長が「カメラから逃げたと言われても仕方がない。メディアの信頼性を揺るがしたことを痛感している」と述べたように同社への批判を自ら招く。テレビCMをACジャパンの公共広告に差し替える企業が相次いだことで、やり直しの会見に追い込まれた。
27日の会見では、①トラブルの内容と事実を知った後の対応について、②フジテレビ幹部社員の関与について、③1回目の記者会見について、そして④経営陣の経営責任について質問が集中した。
これに対し港社長らは、女性のプライバシーに配慮するとし、詳細は第三者委員会の調査に委ねるという答えに終始。また長年にわたってグループに絶大な影響を及ぼしているとされる日枝久取締役相談役の去就についても、「判断は本人がすること」と歯切れの悪い回答を繰り返した。
そのため記者からの質問は尽きず、ロングランの記者会見になったわけだ。
こうした会見の内容に対し、スポンサーからは「事実関係がよくわからなかった。第三者委員会の調査結果を待って判断する」「日枝さん以下、経営陣を総入れ替えしなければ、新しい船出とはならないだろう」といった厳しい声が聞かれる。
フジテレビによれば、第三者委員会は3月をメドに調査結果を発表する。しかし、それを悠長に待ってはいられないだろう。スポンサーが雪崩を打ってCMを差し止めているからだ。会見前日に放送された「ワイドナショー」や「サザエさん」の番組中に流れたCMの8割はACジャパンの公共広告だった。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
経済評論家・加谷珪一氏 フジ会見後も相次ぐCMキャンセルに「現時点ではまだ真相が明らかではないので」
スポニチアネックス / 2025年1月29日 13時24分
-
フジサンケイGの“絶対権力者”日枝代表は姿見せず “院政”続けば「広告は再開できない」とスポンサー
スポニチアネックス / 2025年1月28日 4時10分
-
【フジ会見要点まとめ&騒動時系列一覧】中居正広騒動の詳細 社員Aの関与、被害女性への聞き取り内容、社長&会長辞任経緯など
モデルプレス / 2025年1月27日 22時9分
-
見通せない幕引き=経営に打撃、悲痛な社員の訴えも―フジテレビ
時事通信 / 2025年1月27日 21時50分
-
中居正広の引退と港社長の会見で募る“フジテレビ不信”、スポンサー52社に聞いた「CM再開」
週刊女性PRIME / 2025年1月27日 16時30分
ランキング
-
1「新NISAでオルカン、S&P500のつみたて投資」では幸せになれない…3億円を築いた投資家が個別株を勧めるワケ
プレジデントオンライン / 2025年1月30日 7時15分
-
2「間違った断熱」で電気代がかさむバカらしさ…職人社長が「一戸建てはエアコン1台で十分温まる」と断言する理由
プレジデントオンライン / 2025年1月30日 7時15分
-
3日銀の追加利上げで加速、勝者なき「預金争奪戦」 1年定期で金利1%の大台を突破する銀行が続出
東洋経済オンライン / 2025年1月30日 7時20分
-
4コメ価格の上昇一服、販売量増加 備蓄放出で値下がりも
共同通信 / 2025年1月29日 16時47分
-
5「おひとりさまツアー」は割高なのに、なぜ利用者が増えているのか “自己紹介なし”の理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 6時20分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください