被害者から加害者に「母から虐待を受けた子」の半生 成人後も続く「負の連鎖」克服は容易ではない
東洋経済オンライン / 2025年1月30日 8時0分
「当然のことですが、母から虐待を受けていたからといって、DVが許されるわけではありません。恋人には破局したいまも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ただ、自分が経験してきた虐待やDVを打ち明けることで、近しい境遇にある人が救われてほしいと思います。私は精神障害に気づくまで30年以上かかりました。小学生までは祖父母と同居しており、児童相談所に一時保護された経験もあるのに、母からの虐待が収まることはなかった。加えて、知人にこれまでの虐待やDVについて話しても、距離を置かれることも多かった。
それだけ虐待やDVの問題は、明るみになりづらく、周りに理解してもらうことも難しい。それを身を持って体験してきたので、せめて自分の経験が当事者に届いてほしいと思います」
生活保護を受給しながら治療を続ける
現在、高島さんは35歳。現在は生活保護を受給しながら、精神科のカウンセリングを、週2回の訪問看護で受診している。
「精神科に通い始めた当初は、抗うつ剤やてんかんなどの薬を処方されましたが、いまはなるべく服用を制限しています。
代わりに、地域の健康サポートセンターで働く保健師に話を聞いてもらったり、日記をつけたりしています。自分の感情を表に出すことで、共感してもらう安心感や孤独感が軽減し、モヤモヤした感情を整理できる。自分がどういうときに癇癪を起こしたり、気分が沈んだりするかも、日記をつけることで客観視できるようになりました。
振り返れば、私は幼少期は虐待の被害者として、成人以降はDVの加害者として、身を持って虐待が連鎖していくことを痛感しました。こうした悪循環を断ち切るため、今後も治療に専念するつもりです」
高島さんが虐待を受けて苦しんだ時間や、DVの罪が消えることはない。それでも、これまでの境遇を変えるため高島さんは奮闘を続ける。
佐藤 隼秀:ライター
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
くり返す精神疾患の原因になる「親との愛着関係」 大人になってから克服するには?
PHPオンライン衆知 / 2025年1月28日 11時50分
-
「お前にキスやハグを強要される度にじんましんが出るように…」“モラハラ妻”と10年以上一緒にいた温厚な夫の「堪忍袋の緒が切れた」瞬間
文春オンライン / 2025年1月26日 17時10分
-
振り返ればあれは教育虐待だった…「なぜできないの」「一番でなければダメだ」加熱する受験戦争、熱心な親に心を引き裂かれる子どもたちの悲鳴
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 16時15分
-
自分が発達障害?不登校の娘を責めた母の気づき 「親子関係の影響では?」思春期外来で刺さった医師の言葉
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 7時40分
-
初潮を迎えた日から、父は何度もレイプし、母は傍観した…実父の性加害を顔出し実名で告発し続ける理由【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2025年1月3日 7時15分
ランキング
-
1「走行中にドアをパカパカ」原付バイクを“あおり運転”した高級車が迎えた末路
日刊SPA! / 2025年1月31日 8時53分
-
2「お店からの評価はガタ落ち」20代のスナックママが伝えたい、“夜のお店”で「値切り交渉」をするべきではない3つの理由
日刊SPA! / 2025年1月31日 15時52分
-
3日産が「フェアレディZ」を発売! まだ新車で買える!? 伝説の“GT-Rカラー”「ミッドナイトパープル」に“歴代最強”の「NISMO」も継続! 「2025年モデル」受注開始で注文も殺到?
くるまのニュース / 2025年1月31日 12時50分
-
4TKO木下、10年前のホテル連れ込みを謝罪も、“強制連行”は否定。青木歌音「内容があまりにも違いすぎ」と反論
オールアバウト / 2025年1月31日 12時25分
-
5親戚の結婚式で夫が放った“ありえない一言”に場が騒然「何も言うなとあれほど…」
女子SPA! / 2025年1月31日 8時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください